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パケ詰まりはiPhoneではKDDI、Androidではドコモが顕著--MMD研究所調査

2013.06.21

Updated by Naohisa Iwamoto on June 21, 2013, 18:12 pm JST

MMD研究所(モバイルマーケティングデータ研究所)は2013年6月21日、いわゆる「パケ詰まり」の実態を調べた調査結果を発表した。それによるとパケ詰まりを起こしている確率を示した「パケ詰まり率」は、iPhoneではKDDI(au)が、Android端末ではNTTドコモがそれぞれ一番高い結果となった。

「パケ詰まり」とは、端末がネットワークには接続しているにもかかわらず、データパケットが流れてこない状況を指す。MMD研究所の調査では、LTE(4G)のネットワークを補足しているスポットで、Webページが完全に表示されるまでに30秒を経過したものを「パケ詰まり」としてカウントし、調査を行った。対象とした端末は、iPhoneがKDDI(au)とソフトバンクモバイルの「iPhone 5」、Android端末がNTTドコモの「Xperia Z SO-02E」、KDDIの「HTC J butterfly HTL21」、ソフトバンクモバイルの「AQUOS PHONE Xx 203SH」。調査は、JR山手線の駅のうちで乗降客数が多い新宿・池袋・渋谷・東京・品川・新橋の6駅、計12スポットで実施。通勤ラッシュ時として7時~9時、帰宅ラッシュ時として17時~19時を設定し、Yahoo!Japanのトップページが完全に開くまでの表示時間を計測した。

まずiPhone5のパケ詰まり率は、KDDI版が全1200回調査中245回で20.4%、ソフトバンクモバイル版が全1200回中28回で2.3%となった。Yahoo!Japaのトップページが表示されるまでの平均所要時間は、KDDIのiPhone5が11.38秒、ソフトバンクモバイルのiPhone5が4.91秒で、ソフトバンクモバイルがKDDIの2分の1以下と大きく差がついた。

次に、Android端末のパケ詰まり率の結果は、NTTドコモが1200回中59回で4.9%となったが、KDDIとソフトバンクモバイルの2社の端末では30秒以上の表示されないことが1回もなく、パケ詰まり率は0.0%という結果だった。Yahoo! Japanのトップページが表示されるまでの平均所要時間は、NTTドコモが6.19秒、KDDIが2.98秒、ソフトバンクモバイルが3.95秒となり、最長はドコモ、最短はKDDIという結果だ。

朝の通勤ラッシュと夕方の帰宅ラッシュを比較すると、ページが表示されるまでの平均所要時間はiPhone、Android、3キャリアともに夕方の帰宅ラッシュ時のほうが長かった。

MMD研究所では、6月7日に発表した「携帯キャリアに関する意識調査」の結果から、ユーザーがネットワーク通信への不満として「通信速度の遅さ」「パケ詰まり」「通信障害」を多く挙げていることに注目。特にパケ詰まりの実態を調べるため、2013年6月10日~14日に「2013年6月通勤・帰宅ラッシュ時におけるスマートフォンのWEB表示時間調査」を実施した。

【報道発表資料】
スマートフォンユーザーを悩ますパケ詰まりの実態は?

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。