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WiMAX陣営、M2M分野やバーティカル市場に活路の期待

2010.06.18

Updated by WirelessWire News編集部 on June 18, 2010, 10:43 am JST

wi4 WiMAX - Motorola USA
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モトローラ(Motorola)は6月16日(米国時間)、米国のWiMAX事業者向けに、LTEやTD-LTEへの移行が容易に実施できるRAN(無線アクセスネットワーク)のソリューションを発表した。

このところ旗色のよくないWiMAX--インドの周波数オークションの勝者であるインフォテル(Infotel)やクアルコム(Qualcomm)がTD-LTE採用に傾いており、またWiMAX陣営の露ヨタ(Yota)がLTEへの転換--TDDかFDDか不明--を発表するなど、LTE普及までの中継ぎ技術かのような様相を呈してきた感がある--だが、WiMAX陣営はまだ白旗を揚げたわけではないようだ。

WiMAXは、マシン・トゥ・マシン(M2M)、スマートグリッド、公共の安全(治安)など、特定用途(バーティカル・マーケット)で十分活躍の余地があり、大手通信事業者はWiMAXへの関心を失いつつあるものの、米国やその他の中小通信事業者やCLEC(競合地域電話会社)は、WiMAXの導入を今後も進めていく可能性が高いという。たとえば、WiMAXを使ったスマートグリッドはオーストラリアで盛り上がっており、GE(ゼネラル・エレクトリック)もミシガン州でWiMAXを使ったスマート・メーターのパイロット・プログラムを行うと先月発表している。

いっぽう、M2M関連では、今週シカゴでConnected World誌による「Connected World Conference 2010」が開催された。このカンファレンスでは、AT&T、ベライゾン・ワイアレス(Verizon Wireless)、スプリント・ネクステル(Sprint Nextel)、Tモバイル(T-Mobile)のM2M事業責任者がパネリストとして参加し、M2Mに関するディスカッションが行われた。このセッションのなかでは、フリート管理(輸送車運行管理)、セキュリティ、デジタルサイネージ、ビデオ配信では、WiMAXの広帯域性とレイテンシの低さを活かす実例が出てきており、その点が実績はこれからのLTEとは異なる、といった指摘が出された。また、バーティカル・マーケットの場合には、アプリケーション開発者がそれぞれ独自の最適解を導いてしまい、互換性が損なわれることから、M2M分野でも標準化が重要になってくるとの指摘もあったという。

なお、ABI Researchの予測では、2010年に出荷される4G対応M2Mモジュールは4万台で、そのすべてがWiMAXベースの製品だという。

【参照情報】
WiMAX thriving in vertical markets (FierceBroadbandWireless)
Does 4G Have a Role in M2M? (Light Reading Mobile)
Motorola Introduces Unique, Cost-Effective Single RAN Solution for WiMAX Evolution(プレスリリース)
GE and Michigan's Consumers Energy WiMAX Smart Meter Pilot Gives Utility Real-Time Power to Understand and Optimize Energy Delivery(プレスリリース)
ロシアにもマシン間通信の到来か - 露第2位の携帯通信事業者が米M2M企業と提携
WiMAX陣営大手の露ヨタがLTEに方針転換 - 2010年中に提供へ

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