北欧家具の洗練されたデザインと機能、PowerKissのワイヤレス給電
2010.06.28
Updated by WirelessWire News編集部 on June 28, 2010, 09:10 am JST
2010.06.28
Updated by WirelessWire News編集部 on June 28, 2010, 09:10 am JST
モバイルで心配のタネと言うと電波のカバレッジ、通信速度などと並んでバッテリー切れを指摘する人が多い。ようやく無線LANスポットを見つけてノートPCを開いても、必ずしもお店の電源を使ってよいとは限らない。2007年には大阪でコンビニエンスストアのコンセントを使って携帯電話の充電をした中学生2人が窃盗容疑で書類送検されている。
ファストフード店などでは次第にコンセントをテーブル上の便利な場所に設置しているところが増えてきており、無線LANを使って仕事のメールを送受している姿を見ることも珍しくなくなった。しかし、せっかくの軽いノートPCも、重たいバッテリーパックやACアダプターを買い足して持ち歩くのでは出費がかさみ、荷物は大きく重たくなってしまう。
この問題は世界共通のようで、フィンランドのスタートアップ企業、PowerKissはワイヤレス充電器を机などに組み込み、携帯電話側には円形の小さな受電器をマイクロUSBに差し込んで、ワイヤレスで充電する仕掛けを提供している。上海万博でも展示されているというその方式は、ヘルシンキの空港や市内の喫茶店などで導入済みらしく、映像も公開されている。磁気共鳴誘導を使うため、送電側と受電側は接近していなければならない。
ハート(Heart)と呼ばれる送電器は机に組み込まれているので、リング(Ring)と呼ばれる受電器を装着した携帯電話機を机の上に置いておくと、ワイヤレスで充電されるという。フィンランドの家具メーカーの中にはすでにPowerKiss内蔵の机を販売しはじめているところもあるとのこと。
磁気共鳴誘導によるワイヤレス給電は2007年にマサチューセッツ工科大学(MIT)が実験成功を発表して以来、米インテル(Intel)、米クアルコム(Qualcomm)、ソニーなどが効率的に電力を「飛ばす」ための技術の発表が続いている。ただ、これまで公開されてきた実験模様では、送信側も受信側も直径の大きなコイルで、まだまだ携帯するほどコンパクトではなかったようだが、PowerKiss のリングは写真では直径4センチほどに見える円形のデザインで、かさばる様子はなさそうだ。
PowerKissはワイヤレス給電の標準化を推進しているワイヤレス・パワー・コンソーシアム(The Wireless Power Consortium)のメンバーだが、同コンソーシアムにはNokia、Philips、TI(Texas Instruments)、三洋電機、BlackBerryのRIM(Research in Motion)などが名を連ねている。PowerKiss は2008年設立。従業員は15名のベンチャー企業である。
【参照情報】
・MITのワイヤレス給電,どこまで進化したか
・磁界共鳴型を使った高効率な「ワイヤレス給電システム」を開発
・WIRELESS POWER SHOWN AT INTEL DEVELOPER FORUM 2008
・勝手に充電は「犯罪」 喫茶店、ファミレスも危ない!
・PowerKiss gives your dead battery the kiss of life
・PowerKiss ウェブサイト
・Powerkiss: Furniture that Charges Without Wires
・Phone-Charging Furniture
・The Wireless Power Consortium
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