Jobs氏のデモを立ち往生させたノヴァテルが、LTE組み込みモジュール製品群を発表
2010.06.30
Updated by WirelessWire News編集部 on June 30, 2010, 14:30 pm JST
2010.06.30
Updated by WirelessWire News編集部 on June 30, 2010, 14:30 pm JST
6月7日(現地時間)に、iPhone 4を発表した「Apple Worldwide Developers Conference 2010(WWDC)」でSteve Jobs氏が行ったデモンストレーションは途中何度か立ち往生した。その原因は会場内で、観客が数百台のMi-Fi(3G対応携帯型無線LANルータ)を同時に使っていたためだったそうだが、その多くはノヴァテル・ワイヤレス(以下ノヴァテル)製だったという。WWDCのように限られた空間にMi-Fiを持った人が大勢集まると干渉や輻輳による通信品質の劣化が著しいことがJobs氏のデモで明らかになると同時に、ノヴァテルのこの分野でもシェアも明らかになった事件だった。
Mi-Fiは日本でもイーモバイル社の「Pocket Wi-Fi」をはじめとした製品群が最近急速に普及しはじめているが、ノヴァテルはMi-Fiメーカーの草分け的存在であり、米国をはじめ各国で「MiFi」を商標登録している。同社の「MiFi」は、6月21日には、ロンドンで開催されたMeffys(Mobile Entertainment Forum主催)で、2010年度の「Best Mobile Connected Device」賞を受賞している。また、同社は「MiFi」を世界各国のキャリアにも提供しており、日本でも6月25日、インターコミュニケーションズ社がSIMロックフリー版の予約受付を開始している。
1996年に設立されたノヴァテルは、クアルコム(Qualcomm)と同じカリフォルニア州San Diegoに本社を置く。最近注力しているMiFiの他、HSDPA、HSUPA、HSPA、EV-DOなどのPCカードやUSBデバイス、組み込みモジュール等のワイヤレス・アクセスソリューションを開発している。
6月28日、ノヴァテルは、LTEの組み込みモジュール製品群を発表した。LTEとEV-DO Rev.AのマルチモードをサポートするExpedite E351や、それにHSPA+、UMTSを加えて国際ローミングにも対応するExpedite E362などで、クアルコムのチップセットを採用している。ナビゲーションや位置情報サービス(LBS(Location Based Services))に利用可能なGPSデータも活用できるモジュールとのことだ。
ちなみに昨年11月、クアルコムはLTEと3Gに対応したチップセットを発表しており、ノヴァテルは、LG電子、ファーウエイ(華為技術)、ZTEなどのアジア勢とともに、このチップセットの評価を行っていたようだ。
ノヴァテルのLTE対応モジュールを使った製品は、今年後半、各国におけるLTEの商用サービスの開始以降に姿を現してくるとのことである。
【参照資料】
・How AT&T made Steve Jobs look bad...again -CNET News
・Meffys winners showcase dynamic mobile media industry -Meffys
・モバイルWi-Fiルーター「MiFi」予約開始、MVNOでSIMカード提供 -ケータイWatch
・Novatel Wireless Introduces Its LTE Embedded Modules Portfolio -Novatel Wireless
・Novatel Wireless Secures Registered Trademark for MiFi -Novatel Wireless
・MiFi -Wikipedia, the free encyclopedia
おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)
登録はこちら