アルカテル・ルーセント、モバイルのソフト開発ツール会社を買収
2010.09.02
Updated by WirelessWire News編集部 on September 2, 2010, 11:30 am JST
2010.09.02
Updated by WirelessWire News編集部 on September 2, 2010, 11:30 am JST
仏アルカテル・ルーセント(Alcatel-Lucent)は、9月1日、モバイル・ソフトウェアとアプリケーションの開発ツールを提供する南フランスのOpenPlug社(本社:Sophia Antipolis)を買収したと発表した。アルカテル・ルーセントは6月にはWeb上のAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を多数保有しているProgrammableWeb社を買収したばかり。買収した2社はそれぞれの分野での評価を確立済みのリーディング企業であり、テレコムのソリューションベンダーだったはずのアルカテル・ルーセントは、これでウェブとモバイルのアプリケーション開発の分野で一定の存在感を持つことになる。
アルカテル・ルーセントは、自社の開発者プラットフォーム(Developer Platform)とオープンAPIサービスにOpenPlugを組み込む計画のようだ。OpenPlug製品の特徴はクロスプラットフォームである点。ELIPS名でリリースされている製品群により、アプリケーションを1つ開発すると、iPhone、Android、Symbian、Windows Mobile、Linuxという5つのOS上で動作するコードにコンパイルしてくれる。SDK(ソフトウェア開発キット)はAdobeのFlex Builderベース。
OpenPlugは2002年創業で、2005年にはフランステレコム(France Telecom)の支援を受けて、異なるデバイス、異なるOSにアプリケーションを簡単に移植するConfigurable Phone Initiative構想を打ち出した。OpenPlugの顧客には、Sony Ericsson、Intel、Arima Commnucation、Foxconnなどの有名どころのほか、多くのアプリケーション開発会社が名を連ねているとのことだ。
アルカテル・ルーセントの狙いはアプリケーション市場で先行するアップル(Apple)やグーグル(Google)にすべてを牛耳られるのを防ごうという面が大きいと思われる。また併せて新興国などでは今後も重要なプラットフォームであり続けるであろう携帯電話機も重要視しているようだ。さらに、IPTVのセットトップボックスやゲーム機、さらにはLTE接続カー(LTE Connected Car)のアプリケーション開発にも役立つと考えている。LTE接続カーは2009年からアルカテル・ルーセントが行っている「ng Connect Program」が発表したコンセプト・カーで、LTE接続によって自動車の運転を変えていこうという提案を行っている。
アルカテル・ルーセントのLaura Merling氏は、「これで5倍の速さで開発できるようになる」と述べているが、その言葉通り1回の開発で多くのプラットフォームで快適に動作するアプリケーションができるなら画期的なことだ。「ng Connect Program」に見られるように、単なる機器ベンダーから、LTEの利用シーン提案まで手がけはじめたアルカテル・ルーセントにとっては、今後はアプリケーションの充実こそ、企業の命運を握っているということなのかもしれない。
【参照情報】
・Alcatel-Lucent Acquires OpenPlug, a Cross-Platform Mobile Software Development Tool Provider (ニュースリリース)
・OpenPlugウェブサイト
・ProgrammableWebウェブサイト
・Alcatel-Lucentの開発者プラットフォーム
・Alcale-LucentのオープンAPIサービス
・Alcatel-Lucent acquires OpenPlug to speed up mobile development for carriers (TNW Mobile)
・Flex Builder 3の主な機能
・LTE Connected Car (The ng Connect Program)
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