Androidブームの波に乗るHTC - 第3四半期は売上・利益とも過去最高に
2010.10.07
Updated by WirelessWire News編集部 on October 7, 2010, 10:56 am JST
2010.10.07
Updated by WirelessWire News編集部 on October 7, 2010, 10:56 am JST
スマートフォン端末市場で世界第4位のシェアをもつ台湾のHTCが、現地時間6日に第3四半期の決算を発表。グーグル(Google)のAndroid OSを搭載する新型端末の成功などから、同期の利益は前年同期比でほぼ2倍に増加したという。
HTCによれば、同期の純利益は111億台湾ドル(3億6000万米ドル)となり、前年同期の57億台湾ドルから95%増加したという。Bloombergのまとめた各社アナリストの予想平均は92億台湾ドルで、発表された利益はこれを大きく上回った。また、連結売上高は760億台湾ドルとなり、アナリストの予想額776億ドルには届かなかったものの、同社が7月29日に発表していた予想額の700億台湾ドルを上回り、前年の338億ドルから2倍以上の伸びを記録した。なお同社は7月の発表時に、同四半期の端末出荷台数が前年同期比2倍以上の650万台に達するとの予想を示していた。
HTCは、グーグルのAndroid OS搭載端末を他の端末メーカーに先駆けて市場に投入するなど、以前から積極的にAndroidプラットフォームを支持する戦略をとってきたが、ここへ来てその成果がはっきり出たといえそうだ。先頃、米調査会社ニールセン(Nielsen)が発表したスマートフォンのOS別シェアでは、Androidは米国市場でいま最も人気の高い選択肢になっているという。過去6か月にスマートフォンを購買した消費者を対象としたこの調査では、Android端末が32%のシェアを獲得したいっぽう、リサーチ・イン・モーション(Research In Motion:以下、RIM)のBlackberryやアップル(Apple)のiPhoneはそれぞれ約25%にとどまっていた。
さらにHTCにとっては、まもなく対応製品が発売されるマイクロソフト(Microsoft)の「Windows Phone 7」 登場も追い風となる。Windows Phone 7は、スマートフォン分野で苦戦を続けるマイクロソフトが起死回生を狙って投入する製品で、HTCはこの新たなOSに対応する端末を提供する予定だ。
米調査会社IDCによれば、スマートフォンやインターネット接続が可能なモバイル端末の今年の出荷台数は全世界で2億7千万台(前年比か55%増)に達する見込みだという。
HTCは現在、サムスン(Sumsung)、ノキア(Nokia)、RIMやアップルなど、自社よりも規模の大きなライバル各社との競争に直面している。ただし、HTCのブランド認知度は昨年10%から今年前半には40%まで上昇していることなどから、スマートフォン市場の成長が加速するなかで、同社の成長の余地はさらに広がりそうだ。
【参照情報】
・Smartphone maker HTC quarterly profit almost doubles - Reuters
・HTC Posts Record Revenue, Profit on Android Phones - Bloomberg
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