モトローラ、アップルを特許侵害で提訴 - スマートフォンを巡って過熱する法廷闘争
2010.10.08
Updated by WirelessWire News編集部 on October 8, 2010, 09:30 am JST
2010.10.08
Updated by WirelessWire News編集部 on October 8, 2010, 09:30 am JST
スマートフォンをめぐる一連の訴訟合戦に、今度はモトローラ(Motorola)のアップル(Apple)に対する訴訟が加わった。
モトローラは、ワイヤレス通信技術やワイヤレス・メール技術、位置情報に基づいたサービスなど、アップル製品に使用されている18の技術が、モトローラの保有する特許の無断使用にあたるとして、米国の国際貿易委員会(U.S. International Trade Commission; ITC)、ならびにイリノイおよびフロリダの地方裁判所に対して訴状を提出した。もしモトローラの主張が認められれば、アップルが提供する「MobileMe」や「App Store」といったサービスに影響が及ぶほか、iPhone、iPad、 iPod Touch 、一部のMacなど、訴訟の対象となったアップル製品の販売が差し止めになる可能性もあるという。
スマートフォン関連の技術に関する特許をめぐって、このところ訴訟が相次いでいる。ノキア(Nokia)によるアップルに対する提訴、アップルによるノキアやHTCに対する提訴、オラクル(Oracle)によるグーグル(Google)などが、今年に入って生じており、モトローラ自体も、やはり特許権を侵害したとしてマイクロソフト(Microsoft)から1日に提訴されていた。いっぽう、アップルは先頃、iPhoneなどで採用するUIの「Cover Flow」に関して、同社がMirror Worldsの特許を侵害している訴えが裁判所で認められ、約6億2500万ドルの支払いを命じられたことに異議を唱えていた。
モトローラは自社スマートフォンのOSとしてグーグルのAndroidを採用し、またベライゾン・ワイアレス(Verizon Wireless)のネットワークに対応する機種の開発に力を入れている。いっぽう、この前日には、ベライゾンのネットワークに対応した新しいiPhoneの製造を年内に始まるとの報道が流れたばかりだった。
スマートフォン市場では、従来からの携帯電話機メーカーのほか、新たにこの分野に参入したパソコンメーカー、さらにはOSベンダーなど多数のプレーヤーがしのぎを削り、主導権争いが過熱している。Wall Street Journalでは、法廷の場が市場に次ぐ第2の競争の場になっていると指摘しており、またFinancial Timesも、各メーカーが訴訟を通じて競合他社の足を引っ張り、結果的に製造コストを高めようとしているという見方を紹介している。
【参照情報】
・This time, Motorola sues Apple over patents - CNET
・Motorola Hits Apple in Court - Wall Street Journal
・Motorola targets Apple in lawsuit - Financial Times
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