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アップル、インドの大手携帯通信事業者と交渉 - CDMA版iPhoneの取り扱いをめぐって

2010.10.13

Updated by WirelessWire News編集部 on October 13, 2010, 09:46 am JST

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(cc) Image by McKay Savage

アップル(Apple)が、インド第2位の携帯通信事業者リライアンス・コミュニケーションズ(Reliance Communications)および同第4位のタタ・テレサービシズ(Tata Teleservices:以下、TTSL)と、CDMA版iPhoneの取り扱いに関して交渉を進めていると、Wall Street Journal(WSJ)が米国時間12日付の記事で報じている。

現在インドでのiPhoneの取り扱いは、GSM方式のネットワークをもつバーティ・エアテル(Bharti Airtel)ならびにボーダフォン・エッサール(Vodafone Essar)の2社が行っている。

同記事では、関係者の話として、TTSLとアップルはこの件に関して4〜5か月前から交渉を続けているが、ただしCDMA版iPhoneの発売時期については未定と伝えている。

アップルによるCDMA版iPhoneの投入については、以前から何度も噂に上ってきており、先週には米最大手の携帯通信事業者ベライゾン・ワイアレス(Verison Wireless:以下、ベライゾン)が2011年前半に発売を開始する予定だと、WSJやNew York Timesなど複数の媒体で報じられていた。米国では2007年の初代iPhone登場以来、GSM方式を採用するAT&Tが独占販売を続けてきたが、ネットワークのつながり難さなどから、ベライゾンからのiPhone発売を望む消費者の声も強まっていた。ベライゾンがCDMA版iPhoneを取り扱うことになれば、このAT&Tの独占販売が崩れることになる。

さらに、上述のWSJ記事では、スペインのテレフォニカ(Telefonica)傘下のO2ならびに英ボーダフォン(Vodafone Group)の2社が、ドイツ市場でそれぞれiPhoneを発売すると報じてられている。これまでドイツではドイツテレコム(Deutsche Telekom)が独占的にiPhoneを取り扱ってきていた。

一方、アップルとしては、とくに米国市場を中心にこのところAndroid OSを搭載する各社の携帯端末に押され気味で、この流れを押しとどめたいとの思惑があり、それがCDMA版iPhoneの投入の可能性を高めているとみられている。

インドでは現在約6億7千万人の携帯電話利用者がいるが、そのうち20%がCDMA方式の携帯電話を利用している。毎月1800万人の契約者が増え続けるインド市場がアップルにとっても魅力的であるのは間違いないが、人口の約42%が1日1.25米ドル以下の収入で生活する同国のユーザーの多くにとって、最低でも670ドル以上するiPhoneがまだ高嶺の花であることも間違いない。

調査会社カナリス(Canalys)によると、インドのスマートフォン市場におけるiPhoneのシェアは2010年前半時点で1%以下。それに対し、ノキア(Nokia)は180万台のスマートフォンを出荷し、71%のシェアを占めたという。そうしたことから、従来のGSM版に加えて、新たにCDMA版iPhoneがインドで発売されても、短期的にはアップルの利益増加に寄与する可能性は小さいという見方もある。

インドの携帯通信事業者各社は、ここ数年激しい価格競争を繰り広げてきてた結果、利益率が悪化の一途をたどっている。この挽回策として、より大きな売上・利益を見込めるスマートフォンへの各社の期待は小さくないはずだが、対応する3G網については今年春に周波数帯のオークションが実施され、本格的な整備はこれからという段階であることなどから、スマートフォン端末の本格的な普及が始まるまでにはいましばらく時間がかかるかもしれない。

【参照情報】
Indian Firms in Talks to Sell iPhone - Wall Street Journal
Apple in talks to launch CDMA iPhone in India: WSJ - AFP
Tata Teleservices to Launch 3G Services - Wall Street Journal

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