独法廷、サムスンに「Galaxy Tab 10.1」販売の仮差し止め命令 - アップルとの特許紛争で
2011.08.10
Updated by WirelessWire News編集部 on August 10, 2011, 09:24 am JST
2011.08.10
Updated by WirelessWire News編集部 on August 10, 2011, 09:24 am JST
サムスン(Samsung)の「Galaxy」シリーズがアップル(Apple)製品に酷似しているとして、アップルが各国の法廷でサムスンを訴えていた問題で、ドイツのデュッセルドルフ地方裁判所は現地時間9日、オランダを除くEU各国の市場でサムスン製の最新タブレット端末「Galaxy Tab 10.1」の販売停止を命じる仮差し止め命令を下した。
両社間の法廷における争いは、4月半ばに、「Galaxy」シリーズがアップルが所有する4つの知的財産権を侵害しているとして、アップルがカリフォルニアの合衆国地方裁判所に訴えを起こしたことに端を発する。その後、両社の訴訟合戦は、東京、ソウル、ドイツのマンハイムなどの米国外の裁判所や、製品の輸入差し止めの権限を持つ米国の国際貿易委員会(U.S. International Trade Commission : ITC)へも飛び火していた。
この件をめぐっては先週、オーストラリアで、訴訟が解決するまでサムスンが同端末の宣伝および販売を停止することで両社が合意している。またアップルは、米国においても同端末の販売差し止めを求めている。
今回の仮差し止め命令について、サムスン側の広報担当は「事前の聴聞会開催や証拠の提出もなしに下されたもの」としてコメントしている。同社はデュッセルドルフの法廷で、4週間後までにこの判断について控訴することができるという。
なお、この命令の対象地域にはオランダが含まれていないが、これはアップルが同国でサムスンを相手取った別の訴訟を起こしているためという。
Telegraphによれば、英国では先週発売されたGalaxy Tab 10.1は現在もっとも売れ行きのよいタブレット端末になっているが、今回の仮差し止め命令を受けて、小売店店頭から姿を消す可能性も生じている。TNWによると、もし今後もさらに特許侵害が続けられた場合には、サムスンに対して最高で35万ドルの罰金などが化されることもあるという。また、この命令が直ちに効力をもつのはドイツに限られ、他の国では手続きなどの関係から発効までしばらく時間がかかる場合もあるという。さらに、今後サムスンの控訴によって聴聞会が開かれこの判定が覆される可能性も残っているものの、その内容によっては訴訟の決着がつくまで仮差し止めが適用される場合があるという。
【参照情報】
・Preliminary injunction granted by German court: Apple blocks Samsung Galaxy Tab 10.1 in the entire European Union except for the Netherlands - FOSS Patents
・The BRIC countries: a safe haven for Android? - FOSS Patents
・Apple Wins Order Against Samsung Tablet in EU - Bloomberg
・Samsung Galaxy Tab 10.1 blocked in Europe - Telegraph
・Apple and Samsung respond to the European Galaxy Tab injunction - TNW
・サムスン、アップルに譲歩 - 特許問題解決まで、豪での新型「Galaxy Tab」投入を見送り
・アップル、サムスン製品の米国での販売禁止を求める仮差し止めを請求
・アップル、サムスンを提訴 - 「Galaxy端末が、iPhoneやiPadにそっくり」と主張
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