「PC時代はすでにたそがれ」- IBM技術担当幹部が見据える「次の中心分野」とは
2011.08.12
Updated by WirelessWire News編集部 on August 12, 2011, 12:35 pm JST
2011.08.12
Updated by WirelessWire News編集部 on August 12, 2011, 12:35 pm JST
IBMといえば、30年前にPCを発売してパソコン普及の原動力となり、またマイクロソフト(Microsoft)躍進のきっかけをつくった存在であることは周知の通りだが、そのIBMで初代PCの開発に携わり、現在も同社で幹部の立場にある人物が、「パソコンは真空管やタイプライターと同じ運命をたどる」とする見解を明らかにして、一部で話題になっている。
IBMでは8月12日に同社PC事業の開始から30周年を迎えるが、これを目前に控えた10日に、IBMでオリジナルPCの設計に携わったエンジニアのマーク・ディーン(Mark Dean)氏が、自らのブログで「PCの時代は終わりつつある」と発言した。
同氏は、IBMのチーフ・エンジニアとして、初代PCのハードウェア開発に携わり、初代PCに関する9つの特許のうち3つを保有する人物。また、その後80年代を通じて同社でPCの設計部門を率いた後、現在は同社の中東およびアフリカ部門でチーフ・テクノロジー・オフィサーの立場にある。
そのディーン氏が、「初代PCの開発に携わった時には、生きている間にPCの衰退を目にすることになるとは思わなかった」「PCはもはやコンピューティング技術の最先端にはいない」と述べ、PCがタイプライター等の機器と同じ道をたどるだろうとの考えを記している。
IBMは2005年にPC事業をレノボ(Lenovo)に売却したが、この経営判断についてディーン氏は「よい決断だった」と話し、現在を「ポストPC時代」と表現している。
対照的に、マイクロソフト(Microsoft)は10日付の「IBMのPCが30周年を迎える」と題するブログ記事のなかで、現在を「PCプラスアルファの時代」と表現、現在も世界で年間4億台のPCが販売されていると訴えている。
ディーン氏は「私自身もすでにPCを卒業し、いまはタブレット端末を主に使っている」としながら、PCに代わるイノベーションの中心となる分野については、「デバイスではなく、デバイス間をつなぐソーシャルスペース」と述べている。
【参照情報】
・IBM Leads the Way in the Post-PC Era - IBM Smartplanet
・After 30 years, IBM exec says PC going way of vacuum tube, typewriter - Computerworld
・IBM executive says PC era is in its twilight - CNET
・共存か駆逐か -「ポストPC時代」のタブレット端末とPCの関係
・2011年は「携帯端末が主役の座に」 - IDCが販売台数予測を発表
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