HP「TouchPad」が売れ行き不振 - 小売大手のベストバイから在庫の引き取り要求も
2011.08.18
Updated by WirelessWire News編集部 on August 18, 2011, 11:27 am JST
2011.08.18
Updated by WirelessWire News編集部 on August 18, 2011, 11:27 am JST
最新の四半期決算の発表を目前に控えた米ヒューレット・パッカード(Hewlett-Packard:以下、HP)で、満を持して投入したはずのタブレット端末「TouchPad」が大量の不良在庫になっているという話を、IT系有力ブログのAllThingsDが米国時間17日に報じた。
同ブログがある関係者の話として伝えたところによると、米家電小売最大手のベストバイ(Best Buy)では、あわせて約27万台のTouchPadを引き受けたが、いまのところわずか2万5000台程度しか売れてれいないという。さらに、別の関係者は、この2万5000台のなかには、いったん販売された後返品されたものの数も含まれている可能性があると話しているという。
大量の不良在庫を抱えるかたちとなったベストバイでは、HPに売れ残り分の引き取りを要求しているといい、これに対してHP側では、上級幹部をベストバイに派遣して対応策を協議することになりそうだという。
AllThingsDでは、こうした販売不振がベストバイのほか、ウォルマート(Wal-Mart)をはじめとする他の量販店チェーンでもみられるとする、市場調査会社エンビジョニアリング・グループ(Envisioneering Group.)のリック・ドハティー(Rich Doherty)の話を紹介している。
同氏は、小売店頭で行った聴き取り調査で、HPがゲリラ的に行ったTouchPadの値下げが裏目にでていることがわかったという。同製品に対して、発売当初は高い関心を示していた消費者も、コストコ(Costco)などで一時的な値下げがあったことを知った結果、いまでは「さらに値下がりするかどうかを見極めたい」と考えているというのが同氏の見方。
HPは、7月にTouchPadの2種類のモデル(メモリー 16GB版:499.99ドルと、同32版:599.99ドル)を発売。発売前のレビューでは概ね高評価を得ていた同製品だが、対応アプリの少なさなどが災いして期待ほどには売れ行きが伸びず、これを知ったHPでは、さっそく期間限定で50ドル、100ドルといった値下げを実施。しかし、そうした施策もあまり奏功せず、今月に入るとそれぞれのモデルについて正式に100ドルの値下げをすると発表した。
なお、この日に発表された米消費者のタブレット端末に対する選好調査(約1100人のタブレット購入予定者を対象に、Robert W. Bairdが実施)では、HPのTouchPadは、モトローラ(Motorola)の「Xoom」、サムスン(Samsung)の 「Galaxy Tab 10.1」、HTC「Flyer」、RIM「BlackBerry Playbook」などの競合製品を抑えて、アップル(Apple)の「iPad」に次ぐ2位に入ったという。ただし、iPadを選んだ対象者の割合が全体の94.5%だったのに対し、TouchPadも検討するとした回答者は10.3%にとどまり、消費者の多くが「タブレット=iPad」と捉えていることが浮き彫りになったという。
【参照情報】
・OuchPad: Best Buy Sitting on a Pile of Unsold HP Tablets - AllThingsD
・It's iPad or nothing, survey says - CNET
・HP can already say "We're number 2!" with TouchPad - GigaOM
・タブレット端末市場ではやくも明暗 - Android勢のシェア増加、RIMやHPは苦境に
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