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スティーブ・ジョブズ氏の「モノへのこだわりぶり」を示す313件の特許(編集担当メモ)

2011.08.26

Updated by WirelessWire News編集部 on August 26, 2011, 14:05 pm JST

アップル(Apple)のスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)前CEOといえば、一時は経営的に「死に体」に近かった同社を立て直し、わずか15年の間に世界一の時価総額をもつ超優良企業にまで引っ張りあげたことなどから、ここ数年は「希代の名経営者」としてメディアで採り上げられることが多かった印象が強い(「タイミングの読みが絶妙なストラテジスト」あるいは「プレゼンテーションの名手」といった評価もこちらに含まれるかも知れない)。だが、アップル・ファンの間では以前から、同氏が他にあまり例をみない類の「モノ(デザイン)へこだわり」を持った人物としてもよく知られていた。そんなことを思い出させる記事がNew York Timesに掲載され、一部のブログなどで話題となっている。

A Chief Executive's Attention to Detail, Noted in 313 Patents」というこの記事によると、ジョブズ氏の名が「発明者」のなかに含まれるアップルの特許は、あわせて313件あり、その範囲もMacやiPod、iPhone/iPadといった主要な製品から、OS(主にUI部分)やキーボード・マウスといった入出力機器、さらにはラップトップ用の(コードが巻き取れる)電源やApple Storeのガラスの階段まで多岐にわたるという(New York Timesサイトにはそのすべてをカテゴリ別にまとめた一覧表"Steve Jobs's Patents"も掲載されている)。

これらの多くは、ジョブズ氏のヒントやアドバイスなどが活かされたもの--発案や実際の作業は他の人の手になるものだが、それでもジョブズ氏が「特に主導的な役割」を果たしたと思われるものが33件あるというスタンフォード大学のマーク・レムレイ(Mark Lemley)教授らのコメントも紹介されている。

なお、この話題に言及したTechCrunchでは、とりわけ特徴的("iconic")なものとして7つのアイテム --具体的には、モニター一体型の「オリジナル(128k)Mac」、ボンダイブルーが話題を読んだ「初代iMac」、ユニークな形が斬新だったが実際には使い勝手が悪かった「iMac付属の円形マウス」、「オリジナルiPod」、ケーブル巻き取り用のフックが付いた「ラップトップ用の電源アダプター」「iPhone(関連の数多くの技術や設計)」、そしてApple Storeで導入されている「ガラスの階段」を挙げている。

NYTimesによると、ジョブズ氏の名が登録者に含まれる特許は、製品のルック&フィールに関連するデザインを対象としたものが多く、ソフトウェアのアルゴリズムやチップ類の設計などに関するものは少ないという。同記事のなかには、ロータス(Lotus Development)創業者/「Lotus 1-2-3」の産みの親であるミッチ・ケイポア(Mitchell Kapor)氏の、「ジョブズ氏は目利きで、デザインに対する天分の才能があり、その対象もさまざまな分野に及んでいる。学校できちんと習ったわけではないが、いつもそうした感性を持っていた」というコメントも見られる

また、これほど多くの特許にジョブズ氏の名前が載っていることについて、一部にはPR効果を狙う思惑もあったのではないかという見方もあり、「アップルにはそうしたいと考える理由があったかもしれない」というハーバード大学ビジネススクールのデビッド・ヨフィエ(David B. Yoffie)教授のコメントも紹介されている。ただし、この点については「(発明のプロセスに)実際には関わっていなかった人の名前が含まれているとなると、その特許自体が無効とされる可能性がある」とする前述のレムレイ教授の見解もあり、一概にPR目的だけでなされたとは思われないとしている。

【参照情報】
A Chief Executive's Attention to Detail, Noted in 313 Patents - NYTimes
Steve Jobs's Patents - NYTimes
Steve Jobs' 313 patents - Fortune
The 7 Iconic Patents That Define Steve Jobs - TechCrunch
スティーブ・ジョブズ氏にまつわるさまざまな数字 - GigaOM(編集担当メモ)
アップル、スティーブ・ジョブズ氏のCEO退任を発表 - 後任はティム・クックCOOに

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