サムスン、最新タブレット「Galaxy Tab 7.7」のIFAでの展示を中止に
2011.09.06
Updated by WirelessWire News編集部 on September 6, 2011, 08:39 am JST
2011.09.06
Updated by WirelessWire News編集部 on September 6, 2011, 08:39 am JST
欧州時間2日にサムスン(Samsung)に対してドイツのデュッセルドルフ地方裁判所が2度目の販促差し止め命令を下した。これを受け、サムスンはドイツのベルリンで行われていた「IFA 2011」トレードショーで、発表したばかりのタブレット端末「Galaxy Tab 7.7」の展示を取りやめた。
同裁判所は先月16日、サムスンによる特許侵害を主張するアップル(Apple)の申し立てを認め、EU各国(オランダを除く)の市場でサムスン製タブレット端末「Galaxy Tab 10.1」の販売停止を命じる仮差し止め命令を出していた。今回の差し止め命令はこれに続く2例目となっている。なお、1度目の仮差し止めについては、その後対象地域に関して修正があり、ドイツ以外の市場では販売が可能になっている。
サムスンはGalaxy Tab 7.7の展示について、1日の時点では「ドイツ国内では非売」とするステッカーをつけて行っていたが、同命令を受けて直ちにプロモーションブースを撤去したという。また、同タブレットの展示自体が最初の差し止め命令に違反すると見なされた場合、サムスンに罰金が課せられる可能性もあるという。
サムスンの広報担当者ジェームズ・チャン(James Chung)氏は今回の決定に関して、「裁判所の決定を尊重する」としながらも、「ドイツ国内での消費者の選択を厳しく制限するものだ」と述べ、自社の知的財産の保護のため訴訟も含めた複数の選択肢を検討するつもりだとしている。
両社間の法廷における争いは、4月半ばに、サムスンの「Galaxy」シリーズ製品の一部がアップルが所有する4つの知的財産権を侵害しているとして、アップルがカリフォルニアの連邦地方裁判所に訴えを起こして以来、各地で拡大の一途をたどっている。両社の訴訟合戦はその後、東京、ソウル、ドイツのマンハイムなどの米国以外の裁判所や、製品の輸入差し止めの権限を持つ米国の国際貿易委員会(U.S. International Trade Commission : ITC)へも飛び火し、現在は9か国で19の件の訴訟が争われている。そのなかで、オーストラリアでは訴訟が解決するまでサムスンが同端末の宣伝および販売を停止することで両社が合意、またオランダでは「Galaxy SⅡ」など3機種が販売仮差し止めの判定を受けるなどしている。
【参照情報】
・Samsung Puts New Galaxy Tab on Hold - Bloomberg
・Samsung Pulls Galaxy Tab From Berlin Trade Show - WSJ.com
・Samsung wipes Galaxy Tab 7.7 from stand after court order - Computerworld
・サムスン、スタイラスペン搭載の大型スマートフォン「Galaxy Note」などを発表
・「アップルはなぜデュッセルドルフへ向かったか」- 特許訴訟の「ファーストフード店」と化す独法廷(編集担当メモ)
・映画『2001年宇宙の旅』まで持ち出してきたサムスン -対アップル特許訴訟で
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