ノキア、約2000件の携帯通信関連特許をカナダの特許管理会社に譲渡
2011.09.06
Updated by WirelessWire News編集部 on September 6, 2011, 12:25 pm JST
2011.09.06
Updated by WirelessWire News編集部 on September 6, 2011, 12:25 pm JST
カナダのモスエイドテクノロジーズ(Mosaid Technologies)という特許管理会社は現地時間1日、ノキア(Nokia)が所有する2000件以上の特許を同社から取得すると発表した。
モスエイドは、同社が特許を保有する技術を他社にライセンス提供し、それによって得たライセンス料を主たる売上とする特許管理会社で、過去にはデル(Dell)、HTC、ソニーエリクソン(Sony Ericsson)、リサーチ・イン・モーション(Research In Motion)、ファーウェイ(Huawei Technologies)、キヤノン、レックスマーク(Lexmark)、エイサステック(ASUSteK)、アスース・コンピュータ(Asus Computer)などを相手に特許関連の訴訟を起こしたこともあったという。
同社がノキアから譲り受ける特許のなかには、GSM、UMTS/WCDMA、LTE関連など3Gおよび4Gの携帯通信に不可欠とされる1200件の特許(申請中のものも含む)が含まれると、ZDNetのAll About Microsoftブログは記している。
また、モスエイドが保有する特許の数はこの取引で約5400件以上となるが、これに関して同社のジョン・リンドグレン(John Lindgren)CEOは、Reutersに対して、6月末に売却が決まったノーテル(Nortel)の特許ポートフォリオと比べてもさらに強力なものと述べている。同氏によれば、たとえばLTE関連の特許についてはノーテルが277件に対しモスエイドが169件、また3G関連ではノーテルが11件に対しモスエイドは900件以上に上るという。
今回の取引では直接的な金銭のやりとりは発生せず、代わりにモスエイドは、今後得られるライセンス料のうち、3分の2をノキアとマイクロソフト(Microsoft)に支払う形を取るという。なお、この特許譲渡後も、ノキアの手元には約3万件の特許が残るとみられる。
モスエイドは現在、ワイラン(Wi-Lan)という競合企業から4億8000万カナダドル(4億9000万米ドル)で敵対買収を仕掛けられている。モスエイドの株式はこれまで25カナダドルから35カナダドルの範囲で取引されていたが、Wi-Lanは一株あたり38カナダドルの価格を提示していた。今回の特許取得によって、モスエイドの株価はおよそ42カナダドルに上昇した。
【参照情報】
・Microsoft weighs in on Mosaid-Nokia patent deal - All About Microsoft (ZDNet)
・Mosaid sees rescue in its Nokia-Microsoft deal - Reuters
・Mosaid Assumes 2,000 Nokia Patents - WSJ.com
・MOSAID Acquires 1,200 Nokia Standards-Essential Wireless Patents and 800 Wireless Implementation Patents - marketwise
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