HTC、モバイルOS獲得を視野に - 「社内で検討」も「衝動買いはない」と王会長
2011.09.13
Updated by WirelessWire News編集部 on September 13, 2011, 09:58 am JST
2011.09.13
Updated by WirelessWire News編集部 on September 13, 2011, 09:58 am JST
HTCのシェール・ワン(Cher Wang)会長は12日、台北(台湾)で行われた記者会見の中で、同社がモバイル端末向けOSの獲得を検討していることを明らかにした。
同氏は、HTC社内でモバイルOSの獲得について何度か議論が行われたことを認めたが、ただし(仮に獲得に動くことがあっても)「衝動買いしたりはしない」と述べたという。
Android OSを採用する端末メーカー各社は、グーグル(Google)が8月15日にモトローラ(Motorola)の買収を発表して以来、モトローラに対する「最恵国待遇」の可能性への懸念などから、Android以外OSを採用した新製品の追加などリスク分散の動きを見せてきている。HTCも先ごろ「Windows Phone OS」(ver. 7.5「Mango」)を搭載したスマートフォン「Titan」「Radar」を欧州向けに発表していた。ただし、マイクロソフト(Microsoft)はフィンランドのノキア(Nokia)と戦略提携していることから、他の端末メーカーにとってベストパートナーとは言い難い面もある。そのため、たとえばHTCと同様にAndroid OSを採用するライバルのサムスン(Samusung)は、自社製OS「Bada」の開発も平行して進めている。こうしたことから、HTCでも独自OSの開発や他社からの獲得などの動きが予想されていた。
現時点では、HTCがどのOSの獲得を視野に入れているかは明らかになっていないが、有力候補の1つとしてヒューレット・パッカード(Hewlett-Packard:以下、HP)の「WebOS」を挙げる見方もある。HPは8月18日にPC部門の切り離しや、WebOS関連のハードウェアの開発・生産の中止を発表したが、WebOSの今後についてはいまのところ他社へのライセンス提供などを検討しているとされている。ただし、先日にはサムスンが同OSの獲得に乗り出すのではないかとの噂も流れるなど、WebOSの売却をめぐる可能性は消えていない。
HTCのワン氏は、自社の強みについて、どのOSでも他社製品と差別化できる製品をつくれる点にあるとし、具体的にはあるプラットフォームの「第2もしくは第3のレイヤー」でこの差別化を行えると述べた。さらに「われわれの強みはOSに対する理解力にあるが、これは自分たちでOSを開発することを意味するわけではない」と述べたという。
HTCは「HTC Sense」という独自のUIをAndroidスマートフォンに搭載しており、先ごろ米J.D.パワーズ(J.D.Power)が発表した消費者満足度調査では、同社のスマートフォンが1000点満点で801点を記録し、1位のアップル「iPhone」(838点)に続く第2位にランクインしている。
なお、グーグルによるモトローラの買収について訊ねられたHTCのワン氏は、モトローラが多数の重要な特許を保有していることを理由に、グーグルにとって「正しい判断」と述べたという。
【参照情報】
・HTC mulling purchase of operating system: report - CNA
・HTC confirms it is considering buying a mobile operating system - TNW
・HTC is thinking about buying a mobile OS; webOS might get a third chance - Android and Me
・Apple iPhone Owns J.D. Power's Satisfaction Crown - AllThingsD
・HTC、アップルを特許侵害で提訴 - グーグルから譲り受けた特許を利用(Bloomberg報道)
・HTCもWindows Phoneの新端末を発表 - マイクロソフト幹部、強気の見通し
・ライセンス提供に生き残りの期待をかけるWebOS - 行く手にははやくも暗雲(編集担当メモ)
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