マイクロソフト、Android関連のライセンス料収入は年間4億4400万ドルに(ゴールドマンサックス)
2011.09.30
Updated by WirelessWire News編集部 on September 30, 2011, 11:02 am JST
2011.09.30
Updated by WirelessWire News編集部 on September 30, 2011, 11:02 am JST
米国時間28日に発表されたマイクロソフト(Microsoft)とサムスン(Samsung)とのライセンス契約締結に関連して、マイクロソフトがAndroid端末を製造するメーカー各社から受け取るライセンス料収入は、1年間に4億4400万ドル程度になるとするゴールドマンサックス(Goldman Sachs:以下、GS)のレポートの話がBusiness Insider(BI)で採り上げられている。
この記事によると、GSでは、マイクロソフトと契約を結んだ各社のAndroid端末が売れるたびにマイクロソフトが受け取るライセンス料を3〜6ドルと仮定。これにサムスンやHTCをはじめとする各社の販売台数合計をかけたものがこの金額になるとBIでは説明している。
The Next Webブログでは、サムスンが今回の契約締結をふまえてマイクロソフトに支払うライセンス料が、1年間で推定1億8000万ドルに達するとの見方が紹介されている。なお、サムスンはこの契約で対価の一部として、Windows Phone搭載端末の開発・販売に関するサポートをマイクロソフトから受けることになるという。
Android関連のライセンス料については、HTCが1台につき5ドルという条件で契約を結んだと以前に報じられていた。また、サムスンがマイクロソフトから1台あたり最大で15ドルの支払いを求められ、これに対して10ドル程度までは支払う用意があるとの韓国紙の報道もあった。さらに、今回の契約について採り上げたTechFlashブログでは、マイクロソフトからメーカー各社への提示条件は推定で1台7.5ドル〜12.5ドルと述べている。
BIでは、年間4億4400万ドル程度の金額だけを見れば、全社の年間売上が750億ドルにのぼるマイクロソフトにとって「取るに足らない額」としているが、ただしマイクロソフトはWindows Phone端末の開発・製造など他の条件も考慮してAndroid関連のライセンス料を定めているという話も一部で伝えられている。さらに、端末メーカー側にとっては、原則無料で利用できることがAndroid OSの魅力の1つとなっている面もあり、とくに今後大きな販売台数の伸びが期待されるインドや中国などの新興市場では、100ドル未満といった低価格で市販されるAndroidスマートフォンの開発も進められている点も考え合わせると、マイクロソフトに対するライセンス料という「税金」が、Androidと競合OSとのシェア争いに少なくない影響を及ぼすことも考えられる。
TechFlashでは、マイクロソフトが米国のスマートフォン市場で大きなシェアをもつHTCおよびサムスンとライセンス契約を交わしたのに対し、グーグルによる買収話が進んでいるモトローラとは未締結である点に着目。両社が特許権の侵害をめぐって係争中であることに触れながら、もしモトローラがマイクロソフトへのライセンス料支払いに応じるようなことになれば、年間2億4000万ドル程度の追加収入がマイクロソフトにもたらされる可能性もあるとしている。
そのマイクロソフトでは、法務関連の責任者を務めるブラッド・スミス(Brad Smith)氏が28日、All Things Digitalとのインタビューのなかで、「マイクロソフトが持つ特許に抵触していないAndroid端末にはお目にかかったことはない」と主張。また同社は、公式ブログやメディアへのインタビューを通じ、サムスンやHTCといった業界のリーダーがこのような契約に至ったことで、すべての市場関係者に対して「問題の解決につながる道」が示されたと述べ、他のAndroidメーカーにもライセンス料の支払いを求めていく姿勢を明らかにしている。
【参照情報】
・Goldman: Microsoft Is Getting $444 Million Annually From Android Patent Licenses - Business Insider
・After Samsung, what's next for Microsoft's Android deals? - TechFlash
・Samsung: We can't rely on Google, so we addressed Android IP issues on our own - The Next Web
・Microsoft's Brad Smith: We Haven't Seen an Android Product That Doesn't Infringe on Our Patents - AllThingsD
・サムスン、Android端末関連のライセンス料支払いでマイクロソフトと合意
・マイクロソフト、サムスンにGalaxy端末1台あたり15ドルの特許料を要求(韓国紙報道)
・Android端末が売れると、マイクロソフトが儲かる - 「HTCから1台につき5ドル」とアナリスト
・[Pickup]クアルコムはインドで何をやろうとしているのか - Businessweek特集記事から
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