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グーグル、シュミット会長:「モトローラ買収でAndroidがダメになることはない」

2011.10.04

Updated by WirelessWire News編集部 on October 4, 2011, 09:09 am JST

グーグル(Google)のエリック・シュミット(Eric Schmidt)会長は米国時間1日、Bloombergとのインタビューのなかで、グーグルによるモトローラ(Motorola)の買収に関して、この買収がAndroidメーカー間の競争激化につながる可能性があるとし、また同社が特定のパートナー企業を優遇することはないと述べた。

グーグルに対しては、今後同社がモトローラに対して、Android OSを採用するサムスン(Samsung)やHTCといった端末メーカーによりも先に、Androidに関する新たな情報を提供するのではないか、といった懸念の声も上がっている。Bloombergでは調査会社ガートナー(Gartner)のアナリスト、マイケル・ガーテンバーグ(Michael Gartenberg)氏の「サムスンやHTCをはじめとするAndroid端末メーカー各社にとって、グーグルによるモトローラ買収は『悪夢のようなシナリオ』」というコメントを紹介している。

だが、こうした懸念に対し、シュミット会長は「Androidのエコシステムが最も重要だ。モトローラとであろうと、その他の誰とであろうと、業界のダイナミクスを壊すようなことはしない。Android端末メーカー間には強力な競争が必要だ。われわれが、心配されているような方法で、誰かに肩入れすることはない」と語ったという。

またシュミット会長は、モトローラの持つ特許ポートフォリオにも言及し、1万7000件にのぼるこれらの特許取得でグーグルの知的財産が底上げされることから、いずれはそれが法廷での争いの収束につながるだろうと述べた。

スマートフォンやタブレットといったモバイル端末の分野では、アップル(Apple)やマイクロソフト(Microsoft)といった企業が、グーグルやAndroid陣営の各メーカーに対し、知的財産権(特許権)の侵害を理由に訴えを起こすケースが相次いでいる。最近では、アップルによる訴えによりサムスンの最新タブレット端末が複数の市場で発売延期ないしは販売停止となるなどしており、特許をめぐる問題がAndroid陣営の今後に及ぼす影響を懸念する声が上がっている。

なお、サムスンとグーグルは11日に開催予定のイベントのなかで、グーグルブランドの新型スマートフォン「Nexus Prime」やAndroid OSの新バージョン「Ice Cream Sandwitch」などを発表するとみられている。

【参照情報】
Google's Schmidt Says Acquisition of Motorola Won't 'Screw Up' Android - Bloomberg
Google: We Won't Screw Up Android, Schmidt Tells Bloomberg - Barrons
Schmidt: Google Won't Screw Up Android - AllThingsD
サムスンとグーグル、10月11日にイベント開催へ -「Nexus Prime」「Ice Cream Sandwitch」を発表か
サムスン、アップルに妥協案提示 - 豪での特許訴訟、Galaxy Tab発売を優先か
サムスン、Android端末関連のライセンス料支払いでマイクロソフトと合意
世界各地に飛び火する、アップル対サムスンの法廷闘争 - 新たに仏、英でも
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アップルによる日本でのサムスン提訴について(編集担当メモ)
HTC、アップルを特許侵害で提訴 - グーグルから譲り受けた特許を利用(Bloomberg報道)

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