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チャイナ・テレコム、iPhone 4Sを販売開始 - 予約数約20万件に

2012.03.12

Updated by WirelessWire News編集部 on March 12, 2012, 09:30 am JST

長らくチャイナ・ユニコム(China Unicom)が唯一の正式なiPhone取り扱い事業者であった中国市場で9日(現地時間)、中国第3位の通信事業者チャイナ・テレコム(China Telecom)が正式に「iPhone 4S」の取り扱いを開始した。同社ではその前週から事前予約を受け付けていたが、9日の販売開始時点で予約台数は20万台を超えたと報じられている。

Bloombergでは、チャイナ・テレコムの財務面への影響について、宣伝費やアップルへの端末代金支払いなどにより、短期的に利益が減少するとの見通しを紹介。アップルストアで販売されている16ギガバイトのiPhone 4Sの価格は4988元(790ドル)で、中国都市部の労働者の平均給与2か月分にも相当する。チャイナ・テレコムは「月々289元の支払い、3年契約で端末が無料」といった販売促進策を打ち出している。BNPパリバ証券(BNP Paribas Securities )のアナリストは、iPhoneの取り扱いにより同社の割引コストは19%増になると予想している。

中国のスマートフォン市場は今年52%成長し、通年でも米国を抜いて世界最大のスマートフォン市場になるとみられている。同市場では、サムスン(Samsung)のシェアが24.3%、それに対しアップル(Apple)のシェアは7.5%と、3倍以上の差をつけられているという。

チャイナ・テレコムは、約3万カ所のホットスポットを擁する中国最大のWi-Fi網運営事業者で、また3G回線の契約者数は3870万人と、4300万人を擁するチャイナ・ユニコムと比べて遜色ない。アップルは今回のチャイナ・テレコムとの契約を通じ、これまでの倍の3G回線契約者にアプローチできることになる。

ただし、通信キャリア別の加入者数(1月末時点)は、首位のチャイナ・モバイル(China Mobile)が6億5544万人(3G加入者5394万人))、チャイナ・ユニコムが2億289万人(3G加入者4307万人)、チャイナ・テレコムが1億2925万人(3G加入者3870万人)となっており、チャイナ・テレコムとチャイナ・ユニコムの契約者を合わせても、全体の3割強に留まる。そのため、今回のチャイナ・テレコムとの契約を加えても、アップルがすべての通信事業者と取引するサムスンに「すぐに取って代わるとは思えない」と、ガートナー(Gartner)のアナリストは指摘している。

いっぽう、チャイナ・モバイルもアップルとの交渉を進めており、今年中にiPhoneの取り扱いを開始する可能性が高いとみられている。チャイナ・モバイルにはすでに約1500万人のiPhoneユーザーが存在している。モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)のアナリストは、3社とも正式にiPhoneの取り扱った場合、合計販売台数は2013年に4000万台に達するとの試算を発表していた。

【参照情報】
Iphone Fails to Gain China Share as Samsung Lead Triples: Tech - Bloomberg
China Telecom iPhone Sales Start; Subsidy May Damp Profit - Bloomberg
China's Verizon gets the iPhone - Fortune
いよいよ10億人 - 中国の携帯電話加入者、今月中にも大台に
チャイナ・テレコム、CDMA版iPhone 4Sを3月発売へ
中国でのiPhone販売台数、2013年には最大4000万台に(米投資銀行試算)

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