苦戦が続くHTC、再生への糸口はまだつかめず - 中国市場では「挟み撃ち」に
2012.04.26
Updated by WirelessWire News編集部 on April 26, 2012, 18:07 pm JST
2012.04.26
Updated by WirelessWire News編集部 on April 26, 2012, 18:07 pm JST
1年ほど前まではAndroid陣営のリーディング・メーカーとして飛ぶ鳥落とす勢いだった台湾HTCの苦戦が続いているようだ。同社が先ごろ発表した第1四半期の業績は、売上が677億9000万台湾ドル(約231億米ドル)、利益は44億6400万台湾ドル(1億5150万米ドル)で前年同期比70%の減少。
今四半期の見通しについては、売上1050億台湾ドル(356億ドル)で前年同期の1244億ドルには届かないものの、粗利率は27%で前年同期の28.8%に近づくとしている(1-3月期の粗利率は25%だった)。
WSJでは、HTCのこの業績低迷について、アップル「iPhone 4S」の投入以来、2四半期にわたって米国市場での売上が低下しているとするピーター・チョウ(Peter Chou)CEOの見方を紹介。同氏はさらに「米国市場でシェアを回復するのは難しい」との見方を示したという。
米国市場ではこのところ、とくにサムスンとアップルの「2強」化が著しい。WSJではガートナー(Gartner)の市場データとして、サムスン 22.6%、アップル 23.8%に対し、HTCは7.2%で、2010年の11.8%から4%以上低下したと記している。
HTCはこれまで、さまざまな機種を投入していたが、この苦戦を受けて戦略を変更。新機種「HTC One」を中核に据え、携帯通信事業者ごとに異なるバリエーションのモデルを提供するやり方に切り替えている。
さらに、劣勢の続く米国市場に代えて、今後は中国を中心としたアジア市場にフォーカスする考えも示しているが、ただし中国市場でもアップルやサムスンがハイエンド層を押さえるいっぽう、ローエンドはファーウェイ(Huawei)やZTEといった国内メーカーの製品が強く、さらにこれら国産メーカーがより高価格のモデルも投入し始めていることから、HTCとしてはポジショニングが難しいという指摘もみられる。
なお、昨年の中国における市場シェアは、サムスンが18.6%、アップルが9.9%であったのに対し、HTCはわずか3%だったという。
【参照情報】
・Even with new handsets on the way, HTC's struggles continue - GigaOM
・UPDATE 1-HTC sees recovery but no return to U.S. peaks - Reuters
・Smartphone Maker HTC Losing Grip on U.S. Market - WSJ
・HTC: Stuck in China's Murky Middle - WSJ
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