「Pebble」開発プロジェクト、Kickstarterでの資金調達額が700万ドル突破
2012.05.02
Updated by WirelessWire News編集部 on May 2, 2012, 11:07 am JST
2012.05.02
Updated by WirelessWire News編集部 on May 2, 2012, 11:07 am JST
4月半ばにソーシャル資金調達サービス「Kickstarter」サイトで開発資金集めをスタートしたスマートウォッチ「Pebble」のプロジェクト。このプロジェクトへの出資金額が先ごろ700万ドルを超えたという。
iOSとAndroidの両方に対応するスマートウォッチとして注目を集める「Pebble」だが、開発元のアレルタ(Allerta)社では当初、ごく普通にベンチャー・キャピタル(VC)からの資金調達を試みた。ところが、VCからはことごとく出資を断られたため、米国時間4月11日に「Kickstarter」で出資の呼びかけを開始。その後わずか2時間で当初の目標額としていた10万ドルが集まり、同日夜までに60万ドル、翌朝には100万ドルに到達したという。なお、現時点(日本時間5月2日)での調達額はおよそ780万ドル、出資者は5万2400人にのぼっている。
Kickstarterでの資金集めは、想定販売価格150ドル以上の「Pebble」端末と引き換えに、一口99ドル以上の少額を一般からあつめるというもの。出資期間の〆切りは今月18日で、現在は黒の端末が115ドル、他の色の端末は125ドル(いずれも米国外送料別、15ドル)で予約購入を受け付けている。なお実際の製品が出資者らの手元に届くのは9月の見込みだという。
これだけの人気を集める「Pebble」がベンチャー・キャピタルから門前払いされた理由について、Federated Mediaの創業者で著名なジャーナリストのジョン・バッテル(John Batttelle)氏は「根拠のない仮説」としながら、「アップル(Apple)への遠慮」という可能性を示唆している。
「Pebble」はiPhoneやAndroid端末と同期し、メールなどの情報を表示できるほか、各種アプリを利用することも可能。そのため、いわば小型のiPhoneとして機能するスタイリッシュなこの腕時計が、アップルが構築する閉じたエコシステムへの挑戦となるのではないかとの見方を同氏は示している。
「Pebble」の前に、BlackBerry向けのスマートウォッチを開発していたアレルタは、RIMが本社をおくウォータールー(カナダ)のベンチャー企業。同社を立ち上げたエリック・ミギコウスキ(Eric Migicovsky)氏という人物は、有名なインキュベータのY Combinatorに所属していた経験の持ち主。
Kickstarterでは通常、平均5000ドル程度の資金集めを試みる独立系映画制作者やゲーム開発者などが多く、Pebbleに集まった700万ドル超は異例の金額だという。
【参照情報】
・Pebble: E-Paper Watch for iPhone and Android - Pebble (Kickstarter)
・Start-Ups Look to the Crowd - New York TImes
・Does the Pebble Cause a Ripple In Apple's Waters? - The Search Blog
・スマートウォッチ「Pebble」 - Eインク・ディスプレイ搭載、iOSとAndroidに対応
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