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オラクル対グーグルのJava関連訴訟 - グーグルに「著作権侵害」の判断

2012.05.08

Updated by WirelessWire News編集部 on May 8, 2012, 09:24 am JST

Java技術に関する知的財産権の侵害をめぐってオラクル(Oracle)とグーグル(Google)が争っている裁判で、その前半部分の争点となっている著作権に関する判決が米国時間7日に下された。

今回の判決で、12名から成る陪審員団は、グーグルのAndroid OSで使用されているAPIコードのうちの9行が、オラクルのコードに類似していると述べ、グーグルがオラクルの著作権を侵害しているとするオラクルの主張を認めた。

しかし、肝心な点に関する質問--すなわちグーグルによるコードの利用が、著作物の「フェアユース」(公正な利用)に該当するかという点については、結論が出されなかった。

これについてグーグルは、「フェアユース」の問題への結論次第では、該当のコードは著作権侵害の対象とならないと主張。「フェアユース」の問題への結論が出ないまま「著作権の侵害」が認められた今回の判決を無効審理とするよう判事に要請したという。

この裁判を担当した判事は、陪審員による判決を読み上げた後、「フェアユースの問題が未解決である以上、著作権の問題については結果が出ていないに等しい」と述べた。またグーグルの要請に対しては、後ほど検討すると回答し、まずは次の段階である特許権についての審理を始めるよう命じた。

また、そもそもAPIコードが著作権保護の対象となるかという点については、後日判事が判断することになっている。今回の裁判で、陪審員は、取りあえずはAPIコードが著作権保護の対象となるとの前提で判断をくだすよう求められていたが、この前提自体が後日覆る可能性も考えられるという。

今回の裁判では、著作権に関する審理、それに続く特許権に関する審議を経て、最終的に賠償金の有無が決定される予定。

【参照情報】
Partial verdict finds Google to have infringed Oracle's Java API copyrights, fair use unanswered - Foss Patents
Split decision in Oracle/Google: Yes to infringement, maybe on fair use - GigaOM
Google infringed on Oracle copyrights, jury finds, but leaves key question unanswered - Mercury News
Oracle Wins Muddled Victory in Google Copyright Case - WSJ
Google's Android Infringed Oracle's Java, Jury Says - Bloomberg
オラクル、グーグルの特許裁判 - 審理3日目に、両CEOが証言
オラクルvsグーグルのJava-Android特許訴訟、いよいよ山場に

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