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HTC製スマートフォン、米国市場の投入に遅れ - 対アップル特許訴訟の影響で

2012.05.18

Updated by WirelessWire News編集部 on May 18, 2012, 10:18 am JST

米国際貿易委員会(U.S. International Trade Commission:以下、ITC)は昨年12月に、台湾の携帯電話メーカーHTCに対し、同社のスマートフォンがアップル(Apple)の特許権を侵害しているとする判決を下していたが、これに伴う輸入差し止め命令が先月19日より有効になっている。HTCは「One X」「Evo 4G LTE」の2機種の米国版に変更を加え、米国への輸出を試みているが、税関での審査のため遅れが生じているという。

12月の判決でHTCによる侵害が認められたのは、アップルが1999年に取得した特許権「5,946,647号」で、メール文中に含まれる電話番号や URL を自動的に検出し、通話アプリやウェブブラウザで開く機能が含まれる。ITCの判決では、検出された電話番号やメールアドレスをクリックした後にメニュー画面が表示される仕様が問題視された。

この話を取り上げたThe Vergeが米国版の「One X」と他国向けの「One X」を比較したところ、他国版では電話番号やメールアドレスのクリック後にメニュー画面が表示されるのに対し、米国版では直接電話アプリやメーラーが立ち上がるとともに、デフォルトアプリを選択する「app associations」画面が表示されるという。これが十分な変更とみなされるかについては、税関の判断に委ねられている。

「One X」は一部の端末が先月19日以前に輸出されており、これが5月6日からAT&T経由で発売されている。いっぽう「Evo 4G LTE」については米国時間18日にスプリント(Sprint)から発売される予定であったが、実際の発売時期は不明。

アップル(Apple)やサムスン(Samsung)との激しい競争の中、HTCの利益は第1四半期に前年同期と比べ7割近く落ち込んでいた。なお、FTでは調査会社CLSAの試算として、HTCでは米国での製品発売が1週間遅れるごとに、第2四半期の売り上げに3〜4%の影響が出ると記している。

【参照情報】
HTC shipping custom Android builds on US devices to avoid Apple patents - The Verge
Apple's Patent Win Delays Shipments of Two HTC Smartphones - WIRED
US customs review delays HTC phone sales - Financial Times (FT)

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