フェイスブックが株式公開 - NASDAQでシステム障害、プライバシー侵害の集団訴訟も
2012.05.21
Updated by WirelessWire News編集部 on May 21, 2012, 10:47 am JST
2012.05.21
Updated by WirelessWire News編集部 on May 21, 2012, 10:47 am JST
[18日午前、夜通し続いた"ハッカソン"を終え、メンローパークの本社からリモートでNASDAQのベルを鳴らしたマーク・ザッカーバーグ CEO]
9億人を超えるユーザー数を誇る世界最大のソーシャルネットワーク、フェイスブック(Facebook)が米国時間18日、ついにNASDAQへの上場を果たした。調達価格160億ドル以上と、過去最大級の株式公開(テクノロジー企業としては過去最大、また全体でもビザに次ぐ第2位)となったこのIPOでは、当日取引開始直後に売買注文が殺到してNASDAQのシステムで障害が発生。初値が付くまでに約30分もかかるなど、全般に注文の処理に遅れが出たことで、一般投資家などの取引意欲が削がれた結果、同社の株価はたびたび下がる局面がみられ、公募価格38ドル前後で幹事証券会社が買い支えるなどした結果、結局38ドル23セントでこの日の取引を終えた。なお、NASDAQのシステム障害については、同社CEOが20日に行った記者向け電話会議のなかで、この事実を認めた。
また同日には、フェイスブックを相手取ったユーザーによる集団訴訟も起こされている。原告側ではユーザーがログアウトした後もフェイスブックがユーザーのネット利用を不当に追跡していることが、プライバシーの侵害にあたると主張しており、150億ドルの賠償金支払いを求めているという。
この集団訴訟を起こした原告側の代表弁護士事務所、スチュワーツ・ロー・USは18日、カリフォルニア州サンノゼの連邦裁判所に、2011年から2012年初めまでに全米各地で起こった同社に対する21件のプライバシー侵害の訴訟をまとめて提訴。同事務所のデイヴィッド・ストレイト(David Straite)氏は、「この訴訟は単なる損害賠償訴訟ではない。デジタルプライバシー権の草分けとして法律とビジネスに非常に重要な示唆を与えるもの」と述べているという。
150億ドルという賠償金は、連邦通信傍受法に基づいて要求されたもので、同法は1日の違反1件につき1人当たり100ドル以上、最大で1万ドル以下の賠償を定めている。
フェイスブックは過去に何度かクッキーを使用してユーザーのログアウト後もインターネット使用を追跡したとして提訴されていた。
なお米国時間19日には、マーク・ザッカーバーグCEOの結婚式が行われたとのニュースも報じられていたが、こちらの「新しい門出」は順調に進んだ模様。
[一目でわかる「フェイスブックはこんな会社」]
【参照情報】
・Facebook's IPO Sputters - WSJ
・Facebook Fails To Make Day-One Pop, Lags Behind Google - Bloomberg
・Nasdaq Is 'Humbly Embarrassed' Over Facebook Troubles - WSJ
・Nasdaq CEO Says 'Poor Design' in IPO Software Delayed Facebook - Bloomberg
・Facebook Suit Over Subscriber Tracking Seeks $15 Billion - Bloomberg
・Facebook hit with $15 billion class action user tracking lawsuit - ZDNet
・Facebook's Mark Zuckerberg weds on day after IPO - AP
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