今度は「iHub」- アップル「テレビ投入」について米フォレスターが大胆予想
2012.05.25
Updated by WirelessWire News編集部 on May 25, 2012, 10:59 am JST
2012.05.25
Updated by WirelessWire News編集部 on May 25, 2012, 10:59 am JST
以前からさまざま噂や予想が出ているアップル(Apple)のテレビ市場参入について、米調査会社フォレスター(Forrester)のアナリストが新たな期待混じりの予想を盛り込んだブログ記事を公開し、一部で話題となっている。
フォレスターのジェームズ・マッキヴェイ(James McQuivey)氏というこのアナリストは、メーカー間の競争も激しく採算性も厳しい現在のテレビ市場で、アップルが現状の利益率を維持しながら、ヒット商品を生み出すには、「これまでのテレビとはまったく違ったものを出さなくてはならない」とした上で、それが「世界初の『テレビでないテレビ』」("the world's first non-TV TV")になると記している。
この「テレビでないテレビ」ーー同氏が「iHub」と称するものーーは具体的にはダイニングキッチンなど家族が集まることが多い場所での利用を想定したもので、形式は32インチ程度の壁掛け式、機能としてはタッチ操作やジェスチャーによる操作、Siriのような音声による操作、さらにリモコンとしてiPadを使用するなど様々な操作方法に対応し、カレンダーや写真アプリなどの利用、それにFaceTimeのようなビデオチャットも可能なもの、としている。
マッキヴェイ氏は、映像コンテンツよりもアプリを重視したこのような製品であれば、平均7年と比較的長い周期で買い換えられる従来のテレビとは異なるペースで浸透しはじめ、いずれはリビングにある大型の薄型テレビに置き換わることも考えられるとしている。
このマッキヴェイ氏の考えに対し、ZDnetでは「iHub」のコンセプトについて2つの問題点を指摘。その1つ目は、この液晶テレビで実現される大半の機能がすでにiPadやMacなどアップルの製品でも可能となっているという点。そして、2つ目は「テレビではないテレビ」と言いながらも設置スペースの面では、既存のテレビと競合するものになってしまうという点。
いっぽう、FortuneのApple 2.0ブログでは、4月にジェフリーズ(Jefferies)のアナリスト、ピーター・ミセク(Peter Misek)氏が発表していた「iPanel」の予想ーー従来のテレビ(映像モニター)機能に加え、ゲームセンターやメディアハブ、コンピューターなどの機能もあわせもつものーーとこの「iHub」がよく似ているとした上で、「業界アナリストの言うことよりは、アップルのジョニー・アイブ(Jony Ive)氏のほうを信じる」と否定的な見方を記している。
アップルのテレビ市場参入の可能性については、とくに昨年後半から繰り返し話題になってきている。また具体的なリリース時期を2012年後半から2013年とする向きもあり、今後も様々な予想が飛び交い続けそうだ。
【参照情報】
・Apple's Coming Plan To Take Over The TV Business - Forrester
・Analyst: Apple should sell the 'world's first non-TV TV' - ZDNet
・Forrester: Apple's new TV won't be a TV at all - Fortune
・Forget 'iTV,' Apple May Unveil 'iPanel' This Year, Jefferies Analyst Says - Forbes
・「シャープ、アップルから液晶ディスプレイの大型受注」(米証券アナリスト)
・にわかに現実味を帯びてきた「アップルのテレビ市場本格参入」説(編集担当メモ)
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