英ケンブリッジ大学のチームがモバイル技術を利用してアフリカ農村部の水供給システムの改善を図っている。給水所ポンプに携帯電話機能を持たせて、故障などにより給水できなくなったことをテキストメッセージで地元のエンジニアに通知する。ウォーターポイント・データ・トランスミッター(Waterpoint Data Transmitter)と名付けられたデバイスは、ポンプのハンドル部分に装着され、ハンドルが上下するのをモニターする。それにより使われ過ぎも使われなさ過ぎも検知できるし、水使用量の日次変動や季節変動の予測にも利用できる。
研究者によればアフリカのポンプは故障が多く、3分の1は故障していると見られるという。水供給に起因して5歳以下の子供150万人が死に追いやられており、アフリカ全体で女性や子供が水の調達に費やしている時間は400億時間にも上るとのこと。
センサーからの情報をテキストメッセージで送信するのは珍しい取り組みではないが、利用する場所がアフリカの農村部ということなので、「携帯電話機」への電力供給には太陽光発電などの工夫がなされているものと思われる。
8月にはケニアの70村でテストが行われ、その後、マラウィ、南スーダン、ザンビアなど他のアフリカ諸国へ展開する予定。このプロジェクトは英国国際開発省(DFID(Department for International Development))から資金援助を受けている。
【参照情報】
・Researchers design 'smart' waterpumps for rural Africa
・Mobile Phones To Improve Rural Africa Water Supply
・スマーター・ウォーター・パートナーシップ(The Smarter Water Partnership)<ウェブサイト>
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