AllThingsDによると、スマートフォン用メッセージング・アプリ「WhatsApp」の月間アクティブユーザー数がついに3億人を超えたという。今年4月には同アプリのユーザー数が月間2億人を突破していたことが伝えられていたので、わずか4ヶ月弱で1億人も増加した計算になる。

WhatsAppのジャン・コウム（Jan Koum）CEOによると、現在WhatsApp経由で1日にやりとりされるメッセージの量は、送信が110億件、受信200億件（グループチャットなどにより、受信件数のほうが多い）という。なお6月時点の送信・受信件数はあわせて270億件だった。

[AllThingsD]

地域別では、ドイツ、メキシコ、インド、スペインでの人気がとくに高く、それぞれ2000万人を超えるユーザーがいる。またブルネイでは全人口の約7割、香港でも同じく5割がWhatsAppのサービスに登録しているという。

この話題に触れたGigaOMでは、同アプリの急成長の要因として、同アプリで有料オプションとして提供されているデータ圧縮機能が、東南アジアなどの新興国市場のユーザーに受けている結果ではないかと指摘している（この機能を利用することで、ユーザは通信キャリアへ支払う料金を抑えられる）。

WhatsAppは最近になって、年間99セントの利用料をユーザーから徴収（利用開始から1年間は無料）すると発表していたが、この点についてコウムCEOはAllThingsDに対し、先頃スペインであった高速列車事故の際、閉じ込められたある乗客がWhatsAppを使って配偶者に連絡を取っていたというエピソードを挙げながら、「もしそんな差し迫った場面で、ユーザーが広告を見なくてはならないとしたらどうだろうか？」などとして、広告掲載を通じてマネタイズを狙う競合他社のサービスを批判している。

なおWhatsAppはこの日、新たにボイスメッセージ機能を追加したことを発表しているが、これについてコウムCEOは「異なる言語を使うユーザー間のやりとりなどではキーボード入力より音声を使った方が簡単」などと説明している。

【参照情報】
・The Quiet Mobile Giant: With 300M Active Users, WhatsApp Adds Voice Messaging - AllThingsD
・WhatsApp is growing like crazy -- 300 million monthly users and counting - GigaOM
・WhatsApp adds voice messaging as it hits 300 million monthly active users - The Verge