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HTC、中国市場向けの独自モバイルOSを開発中(WSJ報道)

2013.08.29

Updated by WirelessWire News編集部 on August 29, 2013, 16:12 pm JST

台湾のHTCが中国市場に特化したモバイルOSの開発を進めていると、Wall Street Journal(以下WSJ)が現地時間28日に報じた。

WSJでは、この新OSについて、Amazon Kindle FireのようなAndroidを利用した派生OSになるのか、それともまったく独自に開発されたものになるかは不明としつつ、今年中には中国市場でリリースされる予定であることや、マイクロブログ「ウェイボ」(新浪微博」、Sina Weibo)など中国で人気の高いサービスを統合したものになることなどを、関係者の話として紹介している。

経営不振が続くHTCは、米国や欧州での勢いが失速したことを受け、成長著しい中国のスマートフォン市場に生き残りへの期待を託しているとされる。ただし、同市場ではサムスン(Samsung)のほか、レノボ、ファーウェイ、ZTEといった大手各社の存在感が高まり、さらにはクールパッド(Coolpad )やシャオミ(Xiaomi)のような新興勢も台頭もしてきている。これらの各社がいずれもAndroid端末を投入していることから、HTCでは製品差別化のために別のOS搭載が必要との判断が働いた可能性がある。

いっぽう、中国では海外メーカー製OSへの依存を懸念する政府の後押しを受けて、バイドゥ(Baidu)やアリババ(Alibaba)のように独自OSの開発を進めた例もある。ただし、バイドゥから端末製造を請け負った台湾エイサー(Acer)に対し、グーグル(Google)から圧力がかかった例などもあり、場合によってはHTCでもエイサーと同様の立場に立たされる懸念もあるという。

HTCについては、同社のピーター・チョウ(Peter Chou)CEOの指導力(とくに中・長期的ビジョンの欠落など)に対する懸念の声が社内外で高まっているとする報道があったばかり。また同社が今年春に満を持して投入した「HTC One」も、報道関係者などから高い評価を受けながら、販売面では苦戦が伝えられている。同CEOにとって中国市場への対応が重大な鍵を握る可能性は高い。

【参照情報】
HTC Developing Smartphone Operating System - WSJ
Why HTC is Making a Mobile Operating System - WSJ
HTC will reportedly roll out its own mobile operating system
specifically for Chinese consumers
- TNW

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