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ベライゾンとボーダフォン、ベライゾン・ワイアレス合弁解消に向けた動きが再燃

2013.08.30

Updated by WirelessWire News編集部 on August 30, 2013, 11:24 am JST

米ベライゾン・コミュニケーションズ(Verizon Communications)と英ボーダフォン(Vodafone)との間で長年の懸案となっているベライゾン・ワイアレス(Verizon Wireless)の株式保有に関する問題に関し、新たな動きが出てきているようだとWSJなどが伝えている。


[Bloomberg]

米携帯通信事業者最大手のベライゾン・ワイアレス(Verizon Wireless)は、ベライゾン・コミュニケーションズとボーダフォン(Vodafone)が2000年に設立した号現企業(JV)で持ち株比率はベライゾンが55%、ボーダフォンが45%となっている。このボーダフォンの保有株式をベライゾン・コミュニケーションズが引き取り、完全子会社化するという話はこれまでにも何度か浮上しており、最近でも今年4月に両者が1000億ドル以上の評価額で交渉を進めているという話がReutersなどで報じられていた。

両社の交渉は、それぞれが希望する買値と売値の間に大きな隔たりがあることや、ボーダフォン側での株式売却益にかかる税金処理の問題などがネックとなって、その後それほど大きな進展はみられなかったとされる。だが、ここにきて資金借り入れにかかる金利が上昇しつつあることや米携帯通信市場の状況が大きく変化していることなどを受けて、いったんは立ち消えになったかに見えた両社の交渉や関連する動きがふたたび活発化してきているとWSJは記している。

WSJによると、ベライゾン・コミュニケーションズ側では、すでに複数の金融機関と接触し、ベライゾン・ワイアレス株式の買い取りにかかる資金の融資確保に向けた折衝を行っているという。借入額については数百億ドル(tens of billions)という数字が出ているが、この点に関してBloombergではベライゾン・コミュニケーションズが複数の金融機関から一社あたり100億ドルの融資を受け、合計で600億ドル程度をまかなう考えなどとする関係者の話を記している。またWSJでは、借入金額が600億ドルとなった場合、借入金利が1%上昇するだけでベライゾン・コミュニケーションズの金利負担は年間6億ドルも増加してしまうことから、両社が「比較的早期に交渉を成立されられなければ、次の機会はしばらくやってこない」という通信業界アナリストのクレイグ・モフェット(Craig Moffett)の見方を紹介している。

今年春の時点では、ボーダフォンの希望する売値が1300億ドル以上、それに対してベライゾン・コミュニケーションズからは1000億ドルの買値提示があったと伝えられいた。現在この隔たりがどれほど縮まっているかは不明という。ただし、Bloombergでは両社が1300億ドル程度の条件で交渉を進めているとしており、WSJでもベライゾン・コミュニケーションズが支払いに関して、500億ドル以上の現金を用意し、残りについては株式をあてるといったシナリオを描いているとしている。

なお、ボーダフォンは両者間で交渉が進んでいることを認めているものの、「現時点で何の合意にも至っていない」としているという。

【参照情報】
Verizon and Vodafone Rekindle Talks on $100 Billion-Plus Deal -
Vodafone in Talks With Verizon Over U.S. Wireless Stake Sale - Bloomberg

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