ブラックベリー、約47億ドルで身売りへ - 加ファンドらと暫定合意
2013.09.24
Updated by WirelessWire News編集部 on September 24, 2013, 11:58 am JST
2013.09.24
Updated by WirelessWire News編集部 on September 24, 2013, 11:58 am JST
カナダのブラックベリー(BlackBerry)は現地時間23日、同国のフェアファックス・フィナンシャル・ホールディングス(Fairfax Financial Holdings:以下、フェアファックス)らへ約47億ドルで事業を売却することで基本合意に達したと発表した。
ブラックベリーは現地時間20日に今期の業績に関する緊急の発表を行い、「BlackBerry Z10」端末の不良在庫処分に伴い約10億ドル(9億3000万〜9億6000万ドル)の損金を計上する見通しを明らかにしていた。またこの発表のなかで、全従業員の4割にあたる4500人の従業員削減や、コンシューマー市場からの撤退・エンタープライズ市場への経営資源集中などの方針を打ち出していた。フェアファックスとの合意はこうした動きを受けてのものとなる。
いっぽうNYTimesやWSJでは20日に、ブラックベリー(旧RIM)共同創業者のマイク・ラザリディス(Mike Lazaridis)氏が、同社の獲得に向けて、ブラックストーン(Blackstone Group)やカーライル(Carlyle Group)などの大手PEファンドに接触しているとする話も報じられていた。同氏は昨年、業績低迷の責任をとって同社共同CEO兼会長の座から退いていたが、Bloombergによるといまだに5.7%の株式を保有しているという。なお、フェアファックスがこの買収のために組織したグループにはラザリディス氏は参加していないという。
フェアファックスはブラックベリーの筆頭株主で10%の株式を保有。今回の提案では、ブラックベリーに対して株式1株あたり9ドルの条件を提示したという。また買収完了後はブラックベリーを上場廃止にする考え。ただし、ブラックベリーは今後も別の買収提案を受けることができ、両社が正式な合意を目指す11月4日までは、まだ他社による買収の可能性もあるという。
経営不振が続くブラックベリーは先月、戦略見直しを行うための特別委員会を設け、事業売却も含む選択肢を検討していく考えを明らかにしていた。
ブラックベリーは20日の発表のなかで、同期の端末出荷台数があわせて約370万台と前年に比べて極度に落ち込み、しかも出荷分の大半を旧OS「BlackBerry 7」 が占めていることなどを明かしていた。これについてThe Vergeでは、ブラックベリーが今年はじめに満を持して投入した「BlackBerry Z10」の販売が不振で、これをカバーするために同社が前期に同製品の出荷台数を水増ししたツケがまわってきたせいではないかなどと指摘している。
なお、ブラックベリーは、今月22日までにリリース予定であった同社のメッセージング・サービス「BlackBerry Messenger(BBM)」のAndroidアプリ、iPhoneアプリについて、リリースを延期(すでに一部でリリースされているiPhoneアプリに関しては一時停止)することを明かしている。
【参照情報】
・BlackBerry to retreat from consumer market, lay off 4,500 employees - The Verge
・BlackBerry postpones launch of BBM for iOS and Android - The Verge
・BlackBerry receives $4.7 billion buyout offer from Canadian investment company - The Verge
・BlackBerry Buyout Offer Raises Array of Questions - NYTimes
・BlackBerry Co-Founder Is Said to Consider Bid for Company - NYTimes
・BlackBerry Stuck With $1 Billion in Unsold Phones - WSJ
おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)
登録はこちら