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グーグル、リアルな世界でもユーザーを追跡 - スマートフォンの位置情報を利用した実験

2013.11.11

Updated by WirelessWire News編集部 on November 11, 2013, 10:12 am JST

グーグル(Google)が、スマートフォン経由で得られる位置情報を基に、広告を閲覧したユーザーがその後実際に店舗に足を運んだかどうかなどを計測するテストを行っているという。

Digidayがグーグル社員から説明を受けた広告代理店関係者の話として報じたところによると、グーグルは現在、広告が表示されたスマートフォンと、スマートフォンから得られた位置情報とを照合し、広告を閲覧したユーザーが実際に店舗を訪れたかどうかを測定する機能のベータテストを行っているという。こうした位置情報は、Androidユーザーからだけでなく、グーグルのiOSアプリを使用しているiPhoneユーザーからも取得可能。

Digidayでは、グーグルによる新たな取り組みの応用例として、たとえばモバイル端末で「スクリュードライバー」と検索された場合に、検索したユーザーの所在地付近にある金物店がリスティング広告を入札できるようにするといった例が挙げられている。

インターネット広告業界では長らく、広告を閲覧・クリックしたユーザーがその後オンライン上で商品購入や予約などに至った割合や数などを計測し、広告の効果測定に活用してきた。しかし従来の方法では、実店舗への誘導など、オフラインでの成果の測定が課題とされてきており、業界関係者の間にはその実現を「広告分野の聖杯」("the holy grail of advertising")とする見方もあるという。

ただし、こうした取り組みに対してはプライバシー侵害の懸念も大きく、電子フロンティア財団(Electronic Frontier Foundation)のダン・オーバック(Dan Auerbach)氏という関係者はDigidayに、「自分の所在が絶え間なく追跡されていること、ならびに自分がそうした追跡を行うアプリの利用にオプトインしていることを認識していないユーザーもいるのではないか」「こうしたアプリに関する情報開示のメカニズムがかなり弱く、アプリが実際にしていることとユーザーの認識の間にギャップがあるとと思われる」などと述べている。

【参照情報】
Google Takes Its Tracking Into The Real World - Digiday
Google's Mobile Tracking: The Advertising 'Holy Grail ?' - Digiday
Google pilot programme 'tracks shoppers everywhere they go' - Telegraph
推定合計コンバージョン:マルチスクリーン時代に対応するための新たな分析データ - グーグル

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