チャイナ・モバイル、iPhone取り扱いでアップルとついに合意(WSJ報道)
2013.12.06
Updated by WirelessWire News編集部 on December 6, 2013, 12:13 pm JST
2013.12.06
Updated by WirelessWire News編集部 on December 6, 2013, 12:13 pm JST
加入者数で世界最大の携帯通信事業者であるチャイナ・モバイル(China Mobile)がiPhoneの取り扱いでアップル(Apple)と合意に至ったとする関係者の話をWSJが報じている。2G/3Gサービスを含めた加入者数が7億6000万件を数えるチャイナ・モバイルでの取り扱い開始で、アップルのスマートフォン販売台数が大幅に増加するとの期待も高まっているようだ。
WSJによれば、チャイナ・モバイルは現地時間18日に広州で同社の4G(LTE)サービス発表イベントを行う予定で、iPhone取り扱いの正式発表はそれ以降のタイミングになるとみられるという。
アップルとチャイナ・モバイルの間では数年前から、iPhoneの正式な取り扱いをめぐる協議が行われてきていたとされるが、販売台数のギャランティなどで条件が折り合わず、これまでは正式な契約にいたってなかった。いっぽう、今年9月半ばにはアップルが中国の規制当局からチャイナ・モバイルのTD-LTEネットワークに対応する新型iPhone(「iPhone 5s」「iPhone 5c」)のライセンスを取得したことが伝えられていた。
また現地時間4日には、中国政府の工業情報化部(Ministry of Industry and Information Technology)がチャイナ・モバイルを含めた中国の大手携帯通信事業者3社に4G通信網のライセンスを正式に与えたことが報じられ、チャイナ・モバイルによるiPhone取り扱い開始も秒読みに入ったとする見方が優勢になっていた。
中国本土、香港、台湾を含めた中国市場は、アップルにとって米国、欧州に続いて三番目に大きな市場となっている。しかし同社は近年、より安価な他社製のスマートフォンに押され、売上の成長鈍化に直面している。また、とくにスマートフォンについては、サムスン(Samsung)に加えて、レノボ(Lenovo)やクールパッド(CoolPad)、シャオミ(Xiaomi)といった中国メーカーの台頭が著しく、iPhoneの出荷台数シェアは新機種発売前には一桁台に減少していたという。
WSJでは、今年第3四半期の中国市場での出荷台数シェアについて、アップルが6%に対して首位のサムスンは21%だったとする調査会社カナリス(Canalys)のデータが紹介されている。また株式関連の調査会社トレフィス(Trefis)の予想として、チャイナ・モバイルによるiPhone販売台数が毎月約150万台に達し、2014年の年間販売台数は2000万台程度になる可能性もあると記している。2000万台という数字は、iPhoneの2013年度(昨年10月から今年9月)の販売台数の17%にあたるという。さらに、チャイナ・モバイル加入者のうち、他社製品に比べて高価なiPhoneを購入できる高所得者層(富裕層)の割合は、全体の少なくとも10%とするみずほ証券アナリストの推定などもみられる。
【参照情報】
・Apple, China Mobile Sign Deal to Offer iPhone - WSJ
・Apple, China Mobile said to have finally struck iPhone deal - CNET
・Apple signs iPhone deal with China Mobile, the world's largest carrier: WSJ - The Verge
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