ベライゾンとT-モバイル、一部の周波数帯を交換へ - 700MHz帯譲渡も視野に
2013.12.19
Updated by WirelessWire News編集部 on December 19, 2013, 12:39 pm JST
2013.12.19
Updated by WirelessWire News編集部 on December 19, 2013, 12:39 pm JST
米最大手の携帯通信事業者であるベライゾン・ワイアレス(Verzion Wireless)と第4位のT-モバイル(T-Mobile USA)が、それぞれが保有する周波数帯の一部を交換することで合意に達したという。
米連邦通信委員会(Federal Communications Commission:以下、FCC)に提出された申請書類によると、交換の対象になるのは、あわせて133都市圏をカバーする518件の周波数帯ライセンスで、AWS帯、PCS帯の両方が含まれるという。
携帯通信事業者同士が、分散する周波数帯を整理・有効活用するために、小規模な売買や交換を行うことはそれほどめずらしいことではない、とBTIGのアナリストはBloombergにコメントしている。
いっぽう先月には、T-モバイルがベライゾンから同社の保有する700MHz帯(「Aブロック」)の獲得を目指しているとする話が報じられていた。そのことから、今回のAWS帯・PCS帯交換を700MHz帯譲渡の先駆けとする見方もあるという。Fierce Wirelessでは、ベライゾン・コミュニケーションズ(Verzion Communications)のローウェル・マクアダム(Lowell McAdam)CEOが、Aブロックの取引の一環として、両社で周波数帯の交換を行うことに関心を示していたとする話が紹介されている。
それに対し、この話題に触れたBloombergでは、今回の周波数帯交換をAブロックの取引とは別のものとしつつも、後者の取引についても合意が近づいているとする関係者の話を紹介している。
なお、T-モバイルは一昨年のAT&Tとの合併が破談になった際に同社から得たAWS帯や、メトロPCS(Metro)の買収を通じて取得したPCS帯など、1GHz〜2.4GHzの周波数帯を比較的潤沢に保有しているとされる。また、ベライゾンは2007年の700MHz帯オークションで手に入れた周波数帯のうち、テレビ放送波との干渉の懸念があるとされる帯域を利用していない。
T-モバイルは先月、新たな周波数帯の獲得を主な目的として約38億ドルの資金を調達していた。Fierce Wileressでは、T-モバイルがこの資金の一部に加え、推定4億ドルとされるAWS帯の余剰分を支払うことで、ベライゾンから20億〜25億ドル相当の700MHz帯「Aブロック」を取得することになるのではないかとするニュー・ストリート・リサーチ(New Street Research)アナリストの見方も紹介されている。
なお、LTEサービス加入者数でリードするベライゾンでは、加入者増加や動画トラフィック増大の影響から、ニューヨークやシカゴなど一部の地域ですでに通信速度の低下が目立ち始めており、これに対応するため回線キャパシティの増強を進めているという話が、先ごろWSJで報じられていた。
【参照情報】
・Verizon Wireless to swap AWS, PCS spectrum with T-Mobile - Fierce Wireless
・Verizon, T-Mobile Will Swap Unused Airwaves to Improve Coverage - Bloomberg
・Video Boom Forces Verizon to Upgrade - WSJ
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