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インテル、LTEモデムチップ開発に1000人規模の人員投入 - iPhoneへの採用視野に(VentureBeat報道)

2015.10.19

Updated by WirelessWire News編集部 on October 19, 2015, 13:20 pm JST

インテル(Intel)が年内の出荷開始を予定する新型LTEモデムチップについて、次世代iPhoneへの採用を目指して大量の人材が開発に投入されているとの情報筋の話をVentureBeatが米国時間16日に報じた。

VentureBeatによると、インテルが1000人を超える体制で開発を進める「7360」LTEモデムチップは、もともと独ミュンヘンにあるインテルの拠点で開発されたもの。同拠点は2011年にインテルが買収したインフィニオン(Infineon)のもので、インフィニオンは以前アップル(Apple)にiPhone向けの3Gモデルを納入していた実績があった。

アップルはインテルによるインフィニオン買収をきっかけに同社との取引を停止しており、現行の「iPhone 6S」にはクアルコム(Qualcomm)から調達した「9X45」LTEモデルチップを採用している。ただし、プロセッサ(SoC)やディスプレイなどの主要部品について、アップルは特定の1社に供給を依存するのを避けるべく調達先の多角化の動きを進めてきていることから、モデムチップについても同様の思惑が働いているものとみられる。

VentureBeatは、アップルが独自設計のSoC(「Ax」プロセッサ)にグラフィック・チップなどさまざまな付加機能を統合する動きを進めてきているとした上で、インテルではLTEモデムの供給を糸口にして、将来的にはアップルからSoC製造の一部を受注したい考えなどと指摘。またアップルが現在SoCの製造を委託しているサムスン(Samsung)ならびにTSMCに対して、インテルにはチップファウンダリーとしてのアドバンテージがあるとして、同社がすでに10ナノメートル・プロセスの製造プロセスの開発に着手している点などを挙げている。

インテルはモバイル端末向けプロセッサの分野でクアルコムなどに大きく遅れをとり、現在は販売台数減少が続くPC向けプロセッサに代わって、データセンター用サーバー向けのプロセッサが売上の柱に育ちつつある。ただし同分野ではグーグル(Google)やアマゾン(Amazon)、フェイスブック(Facebook)といった一部の顧客への売上が大きな比重を占めるとされる。このことから、インテルはアップルとのモバイル端末関連の取引を実現させることで事業の多角化を進めたい考えとみられる。

【参照情報】
Intel has 1,000 people working on chips for the iPhone - VentureBeat
Intel reportedly has 'army' of people working on Apple's next iPhone chip - The Verge
Report: Intel’s modems may end up in future iPhones - Ars Technica

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