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アップル(Apple)が「Troject Titan」のプロジェクト名で続けているとされる自動車開発の動きについて、アストンマーティン(Aton Martin)やテスラで実績を積んだハードウェア関連のエンジニアを「特別プロジェクト」の責任者として採用した可能性があると、自動車関連ブログのElectrekが米国時間19日に報じている。

Electrekによると、今回アップルへの入社が明らかになったのはクリス・ポリット(Chris Porritt)氏というハードウェア関連のエンジニア畑出身幹部で、2015年9月まで在籍していたテスラでは車輌エンジニアリング担当の副社長として、同社の「Model S/X」のプラットフォーム開発や、3月末に発表された「Model 3」のシャーシ設計にも携わったとされている。また、テスラ加入前に在籍したアストン・マーチンではチーフエンジニアとして、「One-77」「V12 Zagato」「Aston Martin DB9」といった車種の開発に携わったことでその功績を認められたことや、1987年から約10年間勤務したランド・ローバー(Land Rover)では最終的に車両空力(Vehicle Dynamics)関連担当の筆頭エンジニア(Principal Engineer)まで上りつめたことなども指摘されている。

なお、ポリット氏の退社とほぼ前後して、テスラにはやはりアストンマーティン出身のスティーブ・マクマナス(Steve MacManus)氏というエンジニアが入社。マクマナス氏のアストンマーティンでのポジションはチーフエンジニア、またテスラでの肩書きはエンジニアリング担当副社長だと、Electrekは指摘している。

アップルでは今年1月に、それまで「Troject Titan」の責任者と見られていたスティーブ・ザデスキー(Steve Zadesky)氏という幹部が同社を退職したとの話がWSJで報じられていた。Electrekはこの報道に触れたながら、ザデスキーの退職が本当であれば、その抜けた穴をポリット氏が埋めることになるのではないかと推測している。

なお、この前日には独フランクフルト・アルゲマイン(Frankfurter Allgemeine Zeitung 、FAZ)が情報筋の話として、アップルが独ベルリンに自動車開発関連の拠点を設けて設計に携わる十数人規模のチームを組織していることや、自動車の設計に関して大手組み立てメーカーのマグナ・インターナショナルと協議を進めていること、また両社が「Apple Car」の製造をマグナの工場があるオーストリアで行う可能性があるなどと伝え、一部の米媒体でも報道を元にした話が報じられていた。


(「Aston Martin One-77」の試乗ビデオ。クリス・ポリット氏が自らハンドルを握りながら説明)

【参照情報】
Exclusive: Apple hires former Tesla VP of Vehicle Engineering Chris Porritt for ‘special [car] project’ - Electrek
Apple reportedly hires Tesla's vice president of vehicle engineering - The Verge
Apple Said to Hire Tesla Engineer for Car Project: Electrek - Bloomberg
Is Apple operating a secret car lab in Germany? - CNET
German report claims Apple Car could be manufactured in Austria by BMW/Mini maker Magna - 9to5 Mac

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