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欧州委員会、グーグルを独占禁止法違反で提訴 - Androidアプリのバンドル提供で

2016.04.21

Updated by WirelessWire News編集部 on April 21, 2016, 12:24 pm JST

欧州委員会(European Commission)は現地時間20日、グーグル(Google)とAndroid端末メーカー各社との取引に関し、自社製アプリやサービスの一括採用を求めるグーグルのやり方が欧州の独占禁止法の違反に当たるとして、同社を正式に提訴した。グーグルによるAndroidビジネスの根幹を揺るがす訴訟としてこの話題が多くの媒体で採り上げられている。

この問題は、グーグルがAndroid OSの提供に関し、端末メーカー側に対してグーグル製主要アプリのバンドル提供を求めている点について、欧州委員会が1年前から調査を進めていたもの。端末メーカー側では、検索やメール、マップ、Appストアなどいずれかのアプリだけを使用したい場合にも、他のアプリまでプリインストールすることを求められているという。

欧州委員会のマルグレーテ・ベスタゲール(Margrethe Vestager)委員は今回の提訴について、「グーグルが欧州の検索市場などにおける自社の支配的立場を乱用している」と指摘し、同社のこの商慣習がモバイル端末市場でのイノベーションを阻害し、消費者に不利益を与える結果につながっているなどと説明している。

それに対して、グーグル側では、Android OSを無料で提供する自社のやり方が端末メーカーでの開発コストの引き下げにつながっているなどと主張。さらに、「Android OSはメーカー各社には無料で提供されているものの、その開発や改良、安全性の確保、特許訴訟への対抗などにはコストがかかっている」とし、「これらのコストはグーグルのAndroid上のアプリやサービスから得る収入で賄われている」とする反論を自社のブログで展開している。

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European Commission

この話題を採り上げたWSJでは、この訴訟でグーグルによる独禁法違反の判断が下された場合、同社に対して売上全体の最大10%にあたる金額を罰金として支払うよう命じられる可能性があるとし、同社の検索広告関連の売上が2015年には世界全体で約745億ドルを記録していたと付記している。

欧州委員会は、独禁法やプライバシー保護関連で、グーグルやフェイスブック(Facebook)などの米大手テクノロジー企業に対する複数の調査を進めている。WSJによると、これらの調査に対して「保護主義的」などとする批判的な声も上がっているが、ベスタゲールはそうした批判について「われわれの仕事は市場競争を保護することであり、企業を守ることではない。誰かが市場での支配的立場を乱用していれば、われわれはそれを問題視する」とコメントしたという。

【参照情報】
Antitrust: Commission sends Statement of Objections to Google on Android operating system and applications - European Commission
Android’s Model of Open Innovation - Google Europe
EU Files Formal Charges Against Google Over Android Conduct - WSJ
Google Charged With Breaking Europe’s Antitrust Rules - NYTimes
Google’s Android Targeted by EU Over Mobile Search Curbs - Bloomberg
EU lodges formal antitrust complaint against Android - The Verge

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