capture image: SolarCity and Utilities: The Future of the Grid(SolarCity)
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米電気自動車(EV)メーカーのテスラ(Tesla Motors)が米国時間21日、同社CEOのイーロン・マスク(Elon Musk)が会長を務めるソーラーシティ(SolarCity)の買収提案を発表。買収額は最大で28億6000万ドルとなる可能性があるという。
ソーラーシティは個人や小規模事業者などに太陽光発電装置をリースし、代わりに長期の電力供給契約を結ぶといった事業で業績を伸ばし、2013年末にはNASDAQへの上場も果たしていた。だが、今年に入っては株価の下落がとくに著しく、現在の株価は約22ドルとピーク時(2014年2月)の約4分の1程度で時価総額も約21億ドル前後と過去最低の水準まで低下している。なお、Bloombergによると、ソーラーシティの出資者でもあるマスク氏は同社株式の約23%を保有する大株主だという。
テスラは、テスラエナジー(Tesla Energy)という子会社を通じて「Powerwall 」という蓄電装置をすでに販売しており、発電装置を供給するソーラーシティの事業を自社に統合することで、顧客にend-to-endの製品を提供することがさらに容易になるなどと説明している。またこの話題に触れたThe Vergeでは、ソーラーシティの製品が将来的にテスラブランドで販売される可能性もあると指摘している。同様に、Bloombergでも比較的富裕なテスラ車のユーザーが同社のショールームでソーラーシティ製品を購入する可能性も高まるなどと記している。さらに、テスラが展開するEV用充電網の電力供給源として、ソーラーシティ顧客の発電設備を利用するといった組み合わせの可能性も考えられる。
そのいっぽうで、Bloombergでは、ソーラーシティ側に約30億ドルの借入が残っていることや、テスラ側でも「Model 3」量産に備えて最近新株発行を通じた資金調達を行ったばかりであることなどを理由に、手持ち資金に不自由する両社の統合を疑問するアナリストの見方も紹介されている。
なお、テスラの示した株式買い付け提案は両社の株式交換が条件とされ、実現には取締役会や株主の承認を受ける必要がある。
【参照情報】
・Tesla Makes Offer to Acquire SolarCity - Tesla Motors
・In SolarCity Bid, Tesla’s Musk Targets Customer Who Wants It All - Bloomberg
・Tesla Takeover of SolarCity Not a ‘No-Brainer’ for Investors - Bloomberg
・Musk Buys Musk: Tesla’s SolarCity Deal by the Numbers - Bloomberg
・Tesla makes offer to buy Elon Musk-backed SolarCity - The Verge
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