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「カーセンサーnet」、ディープラーニングによるクルマの内装色検索機能を提供

2016.08.10

Updated by Naohisa Iwamoto on August 10, 2016, 06:18 am JST

中古車情報サイト「カーセンサーnet」を運営するリクルートマーケティングパートナーズと、リクルートグループのIT、ネットマーケティング分野の機能会社であるリクルートテクノロジーズは2016年8月9日、カーセンサーnetに「“車の内装色”による絞り込み検索」機能を追加したと発表した。いわゆる人工知能(AI)の一種であるディープラーニングを活用する。

カーセンサーnetでは、利用者に対して「メディアで不足・もっと見たかったクルマの情報」を調査したところ、1位が「クルマの内装の写真」だった。また回答者の約35%が中古車を選ぶときに「内装を重視していることがわかった。カーセンサーnetなどの中古車情報サイトでは、外装色による絞り込み検索機能はあっても、内装色による絞り込み検索機能は用意されていなかった。利用者のニーズに応える情報を提供できていなかったことから、内装色による絞り込み検索機能を追加で提供することにした。

しかし、内装色の情報をデータベース化して追加するとなると、中古車販売店の負担が増える。そこで、中古車情報サイトに掲載する中古車の写真情報から、自動的に内装色の情報を抽出して絞り込み検索ができるようにするため、機械学習の手法の1つであるディープラーニングを利用した。これにより、中古車情報サイトに掲載された画像データを有効に活用しながら、自動的に利用者が求める内装色の情報を抽出できるようにした。

具体的には、事前に約1万枚のクルマの内装画像をディープラーニングによって機械学習し、未知の画像を示すことで内装色を判別した答えを得る仕組み。まず内装かそれ以外の写真かを判断し、内装の写真と判断した場合には内装色を特定する--という2段階の判断により、認識制度を高めた。この判断結果を元に、カーセンサーnetの利用者は内装色で絞り込み検索が可能になる。内装色による絞り込み検索機能は、事前にABテストを行ったところ、機能を利用したサイト利用者の問い合わせは、機能を利用していない場合の110%に上昇した。今回の本格的なサービス提供により、サイト利用者のアクション向上効果が期待できる。

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今回の取り組みでは、リクルートテクノロジーズが提供する機械学習ソリューション群「A3RT」(アート)が用意するAPIサービス「Image Paradise」を活用している。汎用的なAPIサービスを利用することで、内装画像かどうかを判別するモデルは約2週間で完成させることができた。これは最初からサービスを開発した場合に比べて8分の1の期間に相当するという。

【報道発表資料】
中古車情報サイト「カーセンサーnet」、「“車の内装色”による絞り込み検索」機能を8月からローンチ

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。