WirelessWire News Technology to implement the future

by Category

BMW、アウディ(Audi)、ダイムラー(Daimler)の3社が昨年ノキア(Nokia)から買収した地図関連事業「HERE」が、新たなリアルタイム交通情報サービスを来年前半にも開始するという。Reutersなどの各媒体が米国時間25日に報じている。

HEREはこの新サービスで、親会社3社の自動車から収集したデータを利用しながら、道路の渋滞状況や事故、霧や滑りやすくなった路面といった障害の有無、駐車場の空き状況など、多岐にわたる交通関連情報を、加入者に対してリアルタイムで提供する。同社は、アウディ並びに親会社のフォルクスワーゲン(Volkswagen)、BMW、ダイムラーがそれぞれ販売した車輌のワイパーやカメラ、ブレーキなどからのデータを収集・分析して同サービスを提供する考えで、データ提供元となる車輌の数については、2017年前半のサービス開始時点で数十万台、また2018年末は数百万台に達する見込みとだという。

テスラ(Tesla)ではすでに路上を走る同社製車両からデータを収集し、同社のオートパイロット(Autopilot、自動運転)機能の改良などに役立てている。ただし同社の場合は出荷台数自体も比較的少なく、こうした取り組みに対応できる車輌の数は数万台程度と見られる。

Reutersでは、HEREが発表した新サービスについて、やはりデータ収集にクラウドソーシングのアプローチを取り入れようとしているグーグル(Google)やアップル(Apple)、トムトム(TomTom)などに比べて、HEREの方がはるかに多くのデータを集められる可能性があるなどとするアナリストの声が紹介されている。

なお、HEREでプラットフォーム製品管理部門を率いるニコラス・ゴーバート(Nicholas Goubert)氏という幹部はReutersに対し、親会社3社のほかにも多くの自動車メーカーが同サービスへの参加に関心を示していると述べている。

【参照情報】
HERE, automakers team up to share data on traffic conditions - Reuters
Luxury Carmakers' HERE Map Service Taps Sensors for Traffic Data - Bloomberg
Mapping company Here will let drivers use maps from competing automakers - CNET

WirelessWire Weekly

おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)

登録はこちら