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KDDIは開発拠点開設、ソフトバンクは駐車場シェア--IoT活用の取り組みを今夏スタート

2018.04.10

Updated by Naohisa Iwamoto on April 10, 2018, 06:25 am JST

大量の端末が通信するIoTは、通信事業者にとってもうまく取り扱えれば大きな飯のタネになる。4月の初頭にKDDIとソフトバンクがそれぞれIoTに対する取り組みを発表し、新しいソリューションの展開につなげようとしている。

KDDIは、IoTおよび5G時代に新しいビジネスソリューションを創出することを目指したビジネス開発拠点「KDDI DIGITAL GATE」を、2018年夏に東京・虎ノ門に開設する。ここでは、KDDIの専門チームに加えて、高度な専門性を持つパートナー企業のプロフェッショナル集団との共創が可能で、課題発見、プロトタイプ開発、ビジネス検証のサイクルを迅速に実行し価値の高いサービスをいち早く提供できるようにする。

KDDI DIGITAL GATEには、IoTや5G、さらにAR、VR、AIを活用した高度なデータ分析ソリューション、クラウドコンピューティングなど、最先端技術を使った様々なソリューションを体感できる環境を用意。コンセプトである"感じる" "気づく" "出会う"を実現する場を提供する。さらにデザイン思考型のワークショップとアジャイル開発による高速プロトタイピングを短期間で実施できるようにする。ソラコムをはじめとするパートナー企業とのコラボレーションも可能で、ワンストップのソリューション構築を支援する。

一方のソフトバンクは、具体的なソリューションとしてパーキングシェア事業に参入する。IoTプラットフォームを活用することで、個人や法人が所有する空き駐車場と、駐車場を利用したいドライバーをマッチングするサービスで、2018年夏ころから順次提供を開始する。

サービスは、3つの側面を持つ。1つは駐車場事業者向けのもので、パーキングシェアリングサービスに必要な管理システムとカメラ付きセンサーを組み合わせたIoTソリューションを提供する。2つ目は、遊休スペースの所有者に向けたもので、駐車場事業者と連携したり、IoTセンサーを活用したりすることで、安価かつ簡易に空き駐車場や遊休スペースの有効活用を可能にする。3つ目は駐車場利用者向けのサービスで、スマートフォン向けの専用アプリなどを使って、駐車場検索機能、満車・空車状況の確認機能、予約機能、オンライン決済機能などを無償で提供する。ソフトバンクではサービスの開始に向けて、駐車場や遊休スペースの有効活用を検討中の企業や自治体など、ビジネスパートナーの募集を開始した。

【報道発表資料】
IoT、5G時代のビジネス開発拠点「KDDI DIGITAL GATE」を今夏にオープン!
IoTを活用したパーキングシェアリング事業に参入

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。