画像はイメージです original image: ake1150 / stock.adobe.com
三井E&S、クレーン遠隔操作にローカル5Gを活用する試験を開始
2022.06.14
Updated by WirelessWire News編集部 on June 14, 2022, 16:56 pm JST
画像はイメージです original image: ake1150 / stock.adobe.com
2022.06.14
Updated by WirelessWire News編集部 on June 14, 2022, 16:56 pm JST
三井E&Sマシナリーと三井情報は2022年6月8日、タイヤ式門型クレーンの遠隔操作にローカル5Gを活用するための試験を開始したと発表した。三井情報の社内施設で試験後、2022年10月に三井E&Sマシナリーの大分工場内へ通信機器を常設し、試験を実施。大分工場内での試験完了後、清水港新興津コンテナターミナルに5G通信ネットワークを構築し、現地での総合試験運転を経て2023年9月から実運用を開始する。
三井E&Sマシナリーは、静岡市で物流業を営む鈴与に遠隔操作クレーンを2025年3月までに計22基を納入する計画である。そのうち12基がケーブルリール型、10基がハイブリッド型の予定だ。ケーブルリール型は地上設備から給電を受けるケーブル内に光ファイバーを設置し、有線で管理棟と通信する。一方、ディーゼルエンジン発電機セットを搭載したハイブリッド型は管理棟と無線で通信する。
遠隔操作クレーンは、クレーン機の運転席ではなく管理棟に設置された遠隔操作卓からカメラ映像を確認しながら運転する。そのため、複数のカメラからの大容量高速通信を実現するだけの通信帯域がが必要となる。また、遅延の少ない映像や制御信号をやり取りするためのリアルタイム性が重要だ。有線通信を使うケーブルリール型では問題ないが、無線を使うハイブリッド型は特に一定台数以上を使用した場合の周波数共用や帯域不足といった技術面での問題がある。
そこで、三井E&Sマシナリーは遠隔操作クレーンの無線操作に高速・低遅延通信を提供できるローカル5Gを利用することを三井情報と共同で検討してきた。ローカル5Gを使うことで、全10基のハイブリッド型遠隔操作クレーンについて遠隔操作を実現し、さらに従来の無線通信方式と比べて遠隔操作の操作性向上を目指す。
ローカル5Gは、企業や自治体などがその建物内や敷地内など、特定のエリアに構築できる5Gネットワークである。高速大容量通信や低遅延、多数同時接続といった5Gの特徴を生かしながら個別のニーズに合わせてカスタマイズを行うことや、安全で安定したネットワークを構築することができることから、製造業やサービス業など幅広い分野での活用が期待されている。
おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)
登録はこちら