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AIプロダクトを文系社長自ら作って販売できる時代が来た

AIプロダクトを文系社長自ら作って販売できる時代が来た

April 14, 2026

清水 亮 ryo_shimizu

新潟県長岡市生まれ。1990年代よりプログラマーとしてゲーム業界、モバイル業界などで数社の立ち上げに関わる。現在も現役のプログラマーとして日夜AI開発に情熱を捧げている。

まずは先日発表された一件のプレスリリースについて紹介したい。


保険募集人の対話品質向上へ、実践型模擬トレーニング「モクトレAI」正式版提供開始

2年間・1000件超の実践データをもとに顧客起点の対話を可視化。トークスクリプト不要で、理解を“できる”に変えるトレーニング基盤

名案企画株式会社

名案企画株式会社(本社:東京都中央区、以下 名案企画)は、保険会社・保険代理店向けの実践型模擬トレーニングサービス「モクトレAI」の正式版を、2026年4月7日より提供開始しました。

モクトレAIは、トークスクリプトを前提とした読み合わせ型のロープレではなく、顧客属性と面談シーンのみを設定し、二人一組で即興的に行う実践型の模擬トレーニングです。Webブラウザ上で音声を録音すると、AIが内容を分析し、約90秒で具体的なフィードバックを返します。PC・スマートフォンの双方に対応し、短時間でも回しやすく、日常業務の中に無理なく組み込める設計としています。

今回の正式版は、ベータ版を通じて見えてきた、短時間で回せる運用性、商談前準備としての有効性、具体的フィードバックの実践性に加え、AI研究者・清水亮氏のアドバイスも踏まえながらフィードバック内容のチューニングを重ね、より現場で使いやすい形へ改善したものです。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000033710.html


このリリースにある通り、この製品を開発するにあたって、筆者はアドバイザーを引き受けた。名案企画は筆者の顧問先の一つで、主に保健募集人のトレーニングを専門に行っている会社だ。

このリリースで紹介されている「モクトレAI」は、保健募集人が二人一組で行うロールプレイによるトレーニングをリアルタイムに評価するものだ。

この製品が生まれたきっかけは、半分は偶然だった。
もともと保健募集人のロールプレイを指導していた同社には、過去に行った膨大なトレーニングの動画データがあった。これをなんとか活用できないかという相談から始まったのだが、筆者としては直感的にピンと来た。「これは極めてユニークなデータ群だ」ということだ。すなわち、これを使えば実用的かつユニークな「AIシステム」を構築することが可能なのである。

「AIシステム」については以前本欄でも取り上げたことがある。

つまり、すでにAIの機能そのものの競争は終息に向いつつある。
GPT-5.4だClaude MytohsだGeminiだのという話は、もう三強ということでケリがつき、次にはオープンソース/オープンウェイトだとQwen3.5-8Bがほぼ最強ということで大体のことに終わりが見えてきた。もはや単体のモデルで勝っただの負けただの言ってる状態ではなく、いかにこうして”枯れて”きたモデルを活用して実用的なシステムに落とし込んでいくか。その競争に移行するタイミングなのだ。

「モクトレAI」を開発するのに必要不可欠だったのは、名案企画が過去に収集してきた独自のロールプレイ動画である。つまり、図で言えばオレンジ色の四角で示した「独自データ」の部分である。

これに独自のUI、今回は音声入力をUIとして組み合わせることで、唯一無二のAIシステムが完成した。

実際、この「モクトレAI」によるアドバイスは作者自身が驚くほど的確だという。

筆者自身は保健募集人の経験も知識もないため、「こういうデータがあるならこういうふうに組み合わせるといいですよ」という程度の助言しかしていないのだが、やはり独自の経験値を蓄積したツールということで、既に大手保健会社を中心に保険代理店などに売れ始めているそうだ。

保健募集人は、通常の営業マンとちがい、法律によって話すべき内容と話してはいけない内容など細かいルールがあるようだ。しかし、保健募集人のトレーニングに使えるのであれば、一般的な営業マンのトレーニングにも応用できるのではないかと期待が高まる。