センサー (読み)せんさー
以前、なぜガラケーがスマフォになれなかったのかを考えてみて気がついたのは「スマホにはいやというほどのセンサーが組み込まれているのにガラケーにはそれらしきものがほとんど見当たらない」ということである。
2019.03.22
一般的にスマホは「視覚・聴覚の総合コミュニケーション環境、エンターテインメント環境」だと思われているが、それは枝葉末節で「あれはセンサーの塊だからな」ぐらいに考えてないと本筋が見えなくなってしまう。スマホのカメラはカメラではなく「記憶機能付きの視覚センサー」であり、もっと多種多様なセンサーを乗せれば「知能」を獲得できるかもしれない、ぐらいに考えておいてちょうどいいということだ。
たとえば、もし口臭に個人特有の成分パターンがあって、さらに精度の高い口臭センサーがあれば認証に使えるかもしれない。認証は無理でも「ひょっとするとこの人持ち主じゃないかも。パスワードは非表示にロックしておこう」くらいの判断は出来そうに思う。いけるかと思って調べてみたが口臭センサーはすでにあるものの、残念ながら単なる匂いセンサーで認証に使えるレベルではなさそう。
ならば、温度センサーをつけて「スマホが今自分がどういう状態にあるかを認識できるようにする」というような方向もある。GPSなどで捕捉したその場所の気温とスマホの温度センサーが検知したそれの間に誤差以上の違いがあればそれだけでもいろんなことがわかる。接地温と機体温に有意な差があれば地面に落ちていることがわかるし、その差が50度以上あれば、明らかに何らかの異常事態だから、即、最寄りの消防署に「出動依頼」を飛ばすこともできるだろう。で、消防署からの確認コールバックに本人がでなければ異変ありで出動になるとか。この手のセンサーの質と数がスマートフォンとガラケーを分けているといっても良いように思う。逆に考えれば「ガラケーにこれでもかとセンサーを載っければスマホに勝てる」になるのだが、エンターテインメントを考えると「画面の大きさで勝てない」ってことになる。
I O編集部【編】
工学社 (2015/07)
|1,900円(本体)
|A5判
|159p
|9784777519040
▼あくまで一般向けの解説書・入門書で、どんなタイプのセンサーがどこでどう使われているのかの紹介。現場の開発者向けではなくむしろユーザー側というかサービスをデザインする立場の人向け。