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機械学習 (読み)きかいがくしゅう

深層学習は機械学習の手法のうちの1つだが、とってもいい成績を上げたので機械学習=深層学習みたいに考えられている。

人間と同じように機械でも機械学習すれば賢くなる

2019.03.22

Updated by on March 22, 2019, 18:33 pm JST

昔の人工知能は「人間が持っている知識をそのまま機械に移植すれば知能を持つことになるはずだ」というので、せっせと「知識」や「規則」を教え込もうとした(知識や規則と思われるデータを記憶装置に記憶させた)のだが、ご存知の通り、現実世界の規則は例外だらけで、時として規則間で矛盾する場合もある。人間はそういうとき「全体(コンテクスト)」を見てどちらを適用するか判断・決定できるが、当時の人工知能は、全体などという概念も常識も持ち合わせていないので、規則間の矛盾が露呈した段階で身動きできなくなる、ようなものだった。
ならばというので、「人間と同じように学習させればその辺もクリアできるかも」というので機械学習という方法が考案された。いろんな方法があるが基本的には「こういう場合はこう判断する」の例を大量に処理させて、そこから自分でパターンやルールらしきものを見つけて「知識」として持つようにする。この「知識」があれば、見たことのないものに出会っても、そのルールをあてはめてみて「どうもこれはあれらしい」という推測ができるようになるだろう。という考え方で、このうちもっとも優れた結果を出せるのが深層学習と呼ばれるやり方だったというのが「機械学習と深層学習の関係」である。では「これを繰り返して賢くしていけば、いずれ人間の知能を超えられる」かというと、いまの人工知能は身体の存在を前提としない、ホルマリン漬けの脳みそみたいなものなので正直あまり期待できない。
知能と身体って別々に考えがちなのだ、身体あってこその脳、脳も身体の一部であって、現在の「身体なしの脳」みたいな人工知能が人間の知能を超える、以前に人間が持っているのと同質の知能になるとは思えない。「いや、別に同じでなくても使えればいい。アルファゼロみたいに」というプラグマティックな考え方は「それはそれであり」だとは思うが。

カワウソのようでも黒豹のようでもある性別不明の彼|彼女は誰かがそれを決めてくれるに違いないと思いながら待ち続けている。

Pythonではじめる機械学習―scikit‐learnで学ぶ特徴量エンジニアリングと機械学習の基礎

ミュラー,アンドレアス・C.【著】/ 中田 秀基【訳】
オライリー・ジャパン (2017/05)

|3,400円(本体)
|B5判
|373p
|9784873117980
▼一般向けの「機械学習とはなにか」を解説した本ではなく、実際に機械学習させる方法を知りたいという方(プログラムを組める方)向きの入門書です。それもそこそこ高度だと思います。ちなみにPython(パイソン)というのはここ10年ぐらいでメジャーになったプログラム言語で、これからプログラムの勉強をしてみたいという方であれば身につけておいて損のない言語の一つだと思います。