スーパー書評「漱石で、できている」8 帚木蓬生『ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力』 2020.10.26 著者は精神医学の専門家で、臨床医でもあるかたわら、現在は九州でクリニックを開いておられる現役の医師。他方、もともと大学ではフランス文学を専攻し、医学は大学に入り直されて資格を取られた、という経歴からも推測できますが、文芸の世界にも独自の世界を切り開かれ、多くの小説を世に問うて来られました。