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米ベライゾン、Nexus Oneの取り扱いでグーグルと交渉決裂

2010.04.27

Updated by WirelessWire News編集部 on April 27, 2010, 11:05 am JST

Nexus One Phone
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米最大手の携帯通信事業者で、約9000万人の契約者を擁するベライゾン・ワイアレス(Verizon Wireless:以下、ベライゾン)が、グーグル(Google)の自社ブランド携帯端末「Nexus One」の取扱を断念したと、ブルームバーグ(Bloomberg)が米国時間26日付で伝えている。

2010年1月に発売されたNexus Oneは、累計販売台数が推定で50万台程度と、商業的に苦戦を強いられている。とりわけ、ライバルのiPhoneが昨年だけで2490万台出荷され、スマートフォン市場でのシェアも15%弱まで増加しているのに対し、Android OS搭載端末はすべて合わせても未だに4%弱であることから、グーグルでは米国市場で最大手の携帯キャリアであり、iPhoneを独占的に取り扱うAT&Tと競合関係にあるベライゾンとの交渉を進めていた模様。

一方ベライゾン側でも、新規加入者数の伸び悩みや、携帯電話利用者間でのスマートフォン人気の高まりなどを受け、スマートフォンの取り扱いを拡大してきている。ちなみに米調査会社のガートナー(Gartner)では、今年スマートフォン市場は前年比50%近く成長し、携帯端末市場全体の3倍以上の伸び率になると予測している。

今回の交渉決裂を受けて、ベライゾンではHTCの「Incredible」など他のAndroid OS端末を販売していくという。またウォールストリートジャーナル(Wall Street Journal:WSJ)は先ごろ、アップル(Apple)がベライゾンのCDMA網に対応するiPhone新機種の開発を進め、今年中にも投入する計画があると報じていた。

グーグルではこれまで、Nexus Oneを同社ウェブサイトからの直販でしか販売しておらず、いまのところ米国ではT-モバイルUSAのみが対応(ただし第3位のスプリント・ネクステルには対応予定がある)。

ベライゾンがNexus One取り扱いを断念したことについて、BGC Partners LPのコリン・ギリス(Colin Gillis)という証券アナリストは、ブルームバーグに対して、「これはグーグルの失態」であるとし、さらに「ベライゾンは、Nexus Oneの販売に関して、グーグルを競合相手と見ている可能性がある」と語っている。ただし、同氏は「Androidプラットフォームには勢いがあり、今後携帯電話、ネットブック、ノートPCなどより多くの端末に採用されるだろう」と付け加えている。

なお、グーグルは同日、ボーダフォン(Vodafone)が英国で4月30日にNexus Oneを発売することになったとの発表も行っている。

【参照情報】
Verizon Doesn't Plan to Distribute Google's Nexus Phone (Bloomberg)
An update on Nexus One partnerships (Google Nexus One blog)
New iPhone Could End AT&T's U.S. Monopoly (WSJ.com)
Smartphone Sales Up 24 Percent, iPhone's Share Nearly Doubled Last Year (TechCrunch)

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