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ボーダフォンの好調に水を差す「インド問題」--34億ドルの損金計上

2010.05.19

Updated by WirelessWire News編集部 on May 19, 2010, 23:07 pm UTC

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(cc) Image by Jon Rawlinson

売上高で世界第2位に付ける通信事業者、英ボーダフォン・グループ(Vodafone Group PLC)がインド市場での苛烈な競争や価格引き下げ合戦などの問題に手を焼いている。

Wall Street Journalの記事によれば、同社は先頃行った2010年会計年度(10年3月期)の業績発表のなかで、インド市場での事業に関連して23億ボンド(34億ドル)の損金を計上したことを明らかにしたという。

同時に、グループ全体の業績は順調に回復しており、通年の売上は前年度の410億2000万ドルから444億7000万ポンドへと8%増加、またこの売上増と10億ポンドのコスト削減が寄与し、利益は前年比2倍以上の86億5000万ポンド(前年は30億8000万ポンド)に増加した。

地域別の売上増減は、欧州が3.5%減、アフリカと中央ヨーロッパが1.2%減に対し、アジア太平洋と中東が9.8%の増加。とくにインドでのサービス収入は14.7%増となった。また同社が株式の45%を保有する米ベライゾン・ワイアレス(Verizon Wireless)については6%増だった(ボーダフォンでは四半期の決算を公表していない)。

本サイトでも何度か報じている通り、現在インドでは20を超える通信事業者が苛烈な競争を繰り広げており、その影響で各社の疲弊が懸念されている。その上、進行中の3G周波数帯のオークションでは入札価格が高騰し続けている。

2007年にハッチソン・エッサール(Hutchison Essar)の過半数の株式を買収してインド市場に参入したボーダフォンは、現在バーティ・エアテル(Bharthi Airtel)に続くインド第2位の通信キャリア(市場シェア21%)となっており、2010年度(10年3月末決算)中にも約3200万人の新規加入者を獲得し、加入者総数は1億人に達したという。ただしいっぽうでは、通信事業者間の激しい価格引き下げ競争に加えて、上記の買収に関連した20億ドル程度の税金支払いをインド政府から求められていたり、あるいは2G周波数帯を割り当てられながら活用していない大手通信キャリアに対して規制当局がその利用料支払いを要求したりといった課題にも直面もしている。このため、証券アナリストのなかからは同社がインド市場で事業を継続することの意義を疑う声も上がっているという。

【参照情報】
India Problems Overshadow Vodafone's Strong Results (Wall Street Journal)
RPT-UPDATE 3-Vodafone signals frustration with Indian market (Reuters)
Vodafone full year profit more than doubles (Businessweek)
Bids for one all-India 3G licence reach $3.63 bln (Reuters)
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