米マイクロソフト、新世代スマートフォン「KIN」の開発終了を決定
2010.07.02
Updated by WirelessWire News編集部 on July 2, 2010, 10:30 am JST
2010.07.02
Updated by WirelessWire News編集部 on July 2, 2010, 10:30 am JST
▼KIN.com(米マイクロソフトによるKINプロモーションサイト)
6月30日(現地時間)、米マイクロソフトが2カ月前に発売を開始したばかりの新世代スマートフォン「KIN」の開発終了決定を発表したというニュースを複数のメディアが報じた。
最初に報じたGizmodeでは、当初情報源を「マイクロソフトに近い事情通からの情報」としていたが、その後マイクロソフトは広報担当者の電子メールによる声明で、「Windows Phone 7にリソースを集中することを決定した」として、今年秋から予定していたKINの欧州展開を取りやめることを発表した。また、KIN担当チームはWindows Phone 7担当チームに統合され、KINの機能は将来のWindows Phoneに取り込んでいくとしている。
なお、米国内でのベライゾン・ワイヤレスによる独占販売は引き続き継続するとしている。しかし、ベライゾン・ワイヤレスでは数日前からKIN ONEおよびKIN TWO両機種の大幅なディスカウントを行っており、在庫限りで販売は終了するのではないかという予測もされている。
KINはiPhone、Androidに比べて低迷しているWindows Mobileスマートフォンの起爆剤として、今年4月に投入されたばかりの端末。(参考記事:マイクロソフトの新スマートフォン「KIN」は、ソーシャルに特化した「若者向け」端末)多機能スマートフォンではなく「若者に焦点をあてた」ソーシャルネットワーク利用に特化した端末であることを売りにしていたが、ベライゾン・ワイヤレスの比較的高額なスマートフォン向け料金プランが適用されたことで、ターゲットとしていた若者には敬遠されたようだ。Computerworldでは、AppStoreやAndroid Marketのようなアプリケーションストアがなかったことも失敗の一因であると分析している。
また、KINは、クラウドとの連携をもうひとつの売りにしており、「KIN Studio」を通じてクラウド上にデータを保存し、ウェブブラウザ経由で共有できた。このクラウド連携機能は、Windows Phone 7に統合されるのではないかと期待されている。
Facebook内のKINファンページでは、KINユーザーやKIN発売を待ち望んでいた欧州のファンから、落胆の声が相次いでいる一方で、「月額利用料がもっと安ければ売れたのに」といったコメントがされていた。また、KINのオフィシャルツイッターアカウントでは、(現地時間)6月30日に「KINはVodafonUKからイギリス、ドイツ、スペイン、イタリアでこの秋発売される予定」というツイートがされており、この決定が急だったことを物語っている。
【参照情報】
・Microsoft Kills Kin(Gizmode)
・マイクロソフト、「KIN」の開発を打ち切り(Computerworld.jp)
・マイクロソフト、発売後2カ月足らずで「KIN」撤退表明(CNET Japan)
・Facebook KIN ファンページ(要・Facebook会員登録)
・KIN will be available...(KINのオフィシャルツイッターアカウント)
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