米クリアワイヤー（Clearwire）は7月29日（現地時間）、来年から家電量販店ベストバイ（Best Buy）が、クリアワイヤーのWiMAXサービスの再販を開始すると発表した。同社のサービスを再販するのは、同社の株主であるコムキャスト（Comcast）やタイム・ワーナー・ケーブル（Time Warner Cable）を除くと、ベストバイが初となる。

再販は、ベストバイ社の「Connect」というブランドで行われる。「Connect」は消費者に「デバイス、サービス開始、課金請求、顧客サポートを便利なワンストップ・ショッピング」で提供するというコンセプトで提供されており、今年の7月11日からは米スプリント・ネクステル(Sprint Nextel Corp.)の3Gサービス（CDMA）の再販が行われている。

先に提供が始まっている3Gについては、データ通信250MBで月額29.99ドル（1ドル＝86.36円換算で約2,590円）、5GBで59.99ドル（約5,180円）と、他の3Gオペレータと同等の料金水準になっており、ベストバイがWiMAXでいわゆる価格破壊を推進してくるという観測はない。

クリアワイヤーにはスプリント・ネクステルの資本が入っている。「Connect」ブランドは、「親会社」のCDMAを「3G」として、「子会社」のWiMAXを「4G」としてリセールすることになる。

データカードやノートPCが大量に購入されるベストバイという販路を持ったことは、今年末までに人口1億2000万人のカバーを目指すクリアワイヤーには心強いことに違いない。

最近、アメリカの携帯各社は小売チェーンとの連携を強めているが、スーパーマーケットやファストフードよりも、家電量販店の方がモバイル・ブロードバンドの販路としては本命なのではないだろうか。ちなみに日本でWiMAXサービスを展開するUQコミュニケーションズ社では、以前からヨドバシカメラ他複数の家電量販店によるMVNO展開を積極的に進めている。

【参照情報】
・Clearwireのプレスリリース
・Best Buy Connectサイト
・Best Buy to resell Clearwire service next year (BusinessWeek)
・Best Buy partners with Clearwire for 4G service (Rethink Wireless)
・Best Buy Connect Broadband Now Available (DSLReports.com)
・Best Buy to Offer Clearwire Service in 2011 (PCMag.com)
・米小売大手が進める独自携帯電話サービス - ウォルマートがプリペイドのラインアップ強化
・クワッド・プレーで提携するケーブル会社とモバイルオペレーターの事情
・主なWiMAX提供会社（UQコミュニケーションズ）