米ベライゾン・ワイヤレス（Verizon Wireless）社が、電話の通話料、データ通信量、テキストメッセージの月額99ドル使い放題料金プランを南カリフォルニアで「テスト」している（99ドルは、1ドル＝85.76円換算では8,490円）。

ベライゾンが「テスト」と称して地域限定のプロモーション施策として99ドルのプランを打ち出しているのはロサンジェルスとサンディエゴの2都市。99ドルは同社の音声、データ、テキストの青天井料金プランよりも20ドル安いそうだ。全米で正式に提供している定額制「Talk & Text」は音声とテキストのみが対象となり、2年契約で89.99ドル（約7,718円）が基本だが、ロサンジェルスとサンディエゴでは69.99ドル（約6,002円）で提供している。これに、無制限のスマートフォン向けデータプランの月額29.99ドルを追加することで、「月額99ドルで全て使い放題」となる。

テスト中の料金プランは競合スプリント（Sprint）が2008年3月に始めた「Simply Everything」に対抗するもの。スプリントのプランも月額99ドルの定額で音声（電話）、データ、テキスト、ウェブサーフィン、スプリントTV（モバイル向けTV）、スプリント・ミュージック、GPSナビゲーション、Direct Connect（プッシュ・トゥ・トーク）を使い放題とするもの。また、T-Mobile U.S.A.にも音声、データ、テキストで99ドルのプランがある。

ポストペイド（後払い）のデータ定額制プランの価格は下落している一方で、スマートフォン・トラフィックは急激に増加しており、各国のキャリアはWi-Fi利用を促したり、3G定額制の廃止を打ち出したりしている。

アメリカのモバイルブロードバンドの領域では、2009年にスプリントに買収されたバージン・モバイル（Virgin Mobile U.S.A.）が、プリペイド（前払い）で月額40ドル（約3,430円）の使い放題を計画中という未確認情報も流れている。

▼Virgin Mobile

現在、バージン・モバイルでは、プリペイドのモバイルブロードバンドサービス「Broadband2Go」として、「10日間10ドル（約857円）・100MB」「30日間20ドル（約1,715円）・300MB」「30日間40ドル・1GB」「30日間60ドル（約5,146円）￥5GB」の4つのプランを提供しているが、8月24日頃から10日間10ドル・100MBまでのプランと30日間40ドル・容量無制限のプランに再編されると報じられた（ちなみに従来の40ドルプラン（1GB）で利用可能な目安として、バージン・モバイルでは「Webブラウジング50時間」「動画視聴4時間」「添付ファイル無しの電子メール10万通」などをあげている）。

プリペイドの領域では前述のベライゾンも今年7月からアメリカ南東部の11州で49.99ドル（約4,287円）定額制を「テスト」導入している。料金プランの追加・変更は新機能提供などの新サービスよりも導入が容易であり、今後もテストやトライアルなどの形で各社がさまざまな試みを行うものと思われる。

【参照情報】
・Verizon Wireless: Testing $99 Unlimited Data,Talk and Text plan (Product Reviews Net)
・Verizon targets Sprint's Simply Everything with $99 unlimited tests (FierceWireless)
・Sprint Launches Revolutionary $99.99 ''Simply Everything(SM)'' Plan (Sprint社ニュースリリース）
・Verizon Wirelessの「Talk & Text」プラン
・Virgin Mobile unofficially confirms its new $40 unlimited mobile broadband plan (Intomobile)
・Verizon trials $50 prepaid unlimited plan (FierceWireless)
・Broadband2Go Plans (Virgin Mobile USA)