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携帯電話基地局に気象センサーを設置。KDDIとウェザーニューズが協業による新サービスを発表

2010.09.30

Updated by WirelessWire News編集部 on September 30, 2010, 10:30 am JST

9月29日、KDDIとウェザーニューズは、協業によるau携帯電話およびauスマートフォン向け気象情報サービスの提供開始を発表した。KDDIの保有する基地局に気象観測設備を設置し、ウェザーニューズの気象情報サービスに活用する。また合わせてウェザーニューズ社の新サービスとして、携帯電話の位置情報と連動した天気情報サービス「ソラテナ」を発表した。

▼記者発表会は、ウェザーニューズ社が保有する「SHIRASE」(3代目南極観測船「しらせ」を改装)船上で行われた。
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ユーザー接点として「天気」に着目

KDDIは、今回の協業を、「オープン化の時代に重要となるユーザー接点拡大の一環」(KDDI株式会社代表取締役執行役員専務 高橋 誠氏)として位置づける。同社はこれまでもGREE、Rekoo Mediaなどさまざまな企業との協業によりユーザー接点の拡大を図ってきた。さらなる拡大を目指し、誰でも1日1回は必ず見る『天気情報』をユーザー接点として再定義し、ウェザーニューズ社との提携により、エンターテインメント性を持つ新たな天気情報コンテンツを提供する。

▼KDDI株式会社代表取締役執行役員専務 高橋 誠氏(左)と株式会社ウェザーニューズ取締役 石橋 知博氏(右)
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協業の内容は大きく3つ。1つめは、連携によるユーザー数の拡大だ。ウェザーニューズ社が提供中のPC、au携帯電話およびauスマートフォン向けコンテンツ「ウェザーニュース」を、2011年4月から、両社の協業サイトとして提供する。また、auが提供している「EZニューズEX」や「au one 天気」などの天気情報コンテンツも、すべてウェザーニュースの提供となる。

これにより、「ゲリラ雷雨情報」や「花粉情報」などの、ウェザーニュースのサポーターによるリポートを元にしたCGMコンテンツも、auの天気情報コンテンツに供給されるようになる。現在有料会員160万人、無料会員2500万人を数えるウェザーニュースのコンテンツを、3000万人が利用するau携帯電話・auスマートフォン上で展開することにより、ウェザーニューズ社・KDDI双方のユーザー数の拡大を狙う。

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携帯電話基地局に観測機器を設置

2つめは、KDDIの携帯電話基地局への気象観測設備の設置。全国3000カ所の基地局に気温、気圧、雨量、風速などに加えて二酸化炭素量、紫外線量、感雨(雨の降り始め)、などのセンサーなどを設置し、気象観測情報を収集する。一部の基地局には、ライブカメラも設置し、コンテンツとして提供する。11月下旬、東京を中心に100局程度からスタートし、最終的には全国3000カ所の基地局に設置する。気象観測ネットワークとしては、気象庁のアメダスの約1300カ所(降雨量)の2倍以上の規模となる。

なお、気象観測用のセンサーについては、ローム株式会社および明星電気株式会社が開発に参加している。他のセンサーメーカーに対してもオープンなプロジェクトとして参加をよびかけ、さまざまな観測を行っていく意向だ。

▼ロームが開発した紫外線センサーは、波長の異なるA紫外線・B紫外線を別々に測定できる。
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気象観測設備の設置でネックとなるのが電源と回線の問題だが、携帯電話の基地局であれば両方とも確保されている。また、全国を網羅しており、人口密度が高く情報をきめ細かく取りたいところには数多く配置されているなど、「基地局と気象観測機器は、非常に相性が良い」(株式会社ウェザーニューズ 取締役 石橋 知博氏)という特徴を活かす。3000局から収集する気象データを予測にフィードバックすることで、ウェザーニューズ社が提供する気象情報や、企業向け気象情報サービスについても精度の向上を図る。

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個性を持った基地局アンテナが天気情報を提供する「ソラテナ」

3つめが、気象情報にコミュニケーションの要素を組み込んだ、au携帯電話・auスマートフォン向け新サービス「ソラテナ」の提供。気象観測設備を設置した基地局のアンテナを「空を見守るアンテナ」=「ソラテナ」という擬人化されたキャラクターとして見立て、ユーザーとの双方向コミュニケーションを行う。

観測された気象情報はソラテナの「つぶやき」として発信され、ユーザーは専用アプリケーションを利用して「お気に入り」のソラテナを登録することで、そのつぶやきを受信できる。つぶやきの内容に個性を持たせることで、提供する情報にバリエーションを持たせ、ユーザーのニーズにあった情報を得やすくする。

また、定期的にエリア内にいるユーザーに対して「今日着ているのは半袖?長袖?」といった質問を投げかけることで、位置情報と結びついたユーザーのリポートを収集し、またそれをつぶやきとして発信していく。地域による暑さ、寒さの感じ方の違いなども、ユーザーからの情報収集を元に学習し、つぶやきに反映していく。

「ソラテナ」利用イメージ
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ウェザーニューズ社では、予測→実況確認→修正という天気予報のプロセスに、「ソラテナ」による3000局の観測データとユーザーの体感情報をフィードバックすることで、天気予報の精度の飛躍的な向上を期待する。これからは、天気予報を気温や降水量の予測があたったかはずれたかという「予測精度」ではなく、「その情報がユーザーにとってフィットしていたか、リーズナブルだったか、ユーザーが(想定外の天気の変化で)生活を変えずにすんだかどうか」(石橋氏)という「情報精度」を重視した予報に変えていきたいとしている。

「ソラテナ」は11月下旬に東京近辺を中心とした100局程度からのトライアルサービス提供を開始し、2011年4月には3000局の全国展開を予定している。具体的なサービス内容や詳細イメージについては、「CEATEC JAPAN 2010」のKDDIブースで明らかにされる。

【報道発表資料】
気象情報を活用したサービスの協業について

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